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行政法

 さて、ここまでで、民事法と刑事法の話をしてきましたが、その中で民事法と刑事法の原理の違いについて着目して述べてきました。
 行政法はさらに異なる原理が存在します。

 まず行政法には「法律による行政の原理」が存在します。行政が何かやるには、その根拠が抽象的であっても法律が必要だというものです。ですから逆に言うと、法律に書いていないことを行政がやることは問題があります。法律に反したことを行政がやることが許されないのは容易に理解できるでしょう。
 そして行政は、効率を追求することが許されます。最終的に法律に権限がある限りにおいて、実力部隊を持つことが許されますし、行政自身が決めたことを相手である市民相手に要求することが許されます。場合によっては裁判所の力を借りずに(=裁判所から文書をもらうことなく)実力行使までできます。
 しかしこれらの権限は行政自身の必要のために認められるものであり、行政自身が特定個人の代行を行うことはできないので、市民の側から権力に対して要求することは、別個法律の規定がないとできません。中には規定なくしてとりあげることはあるかもしれませんが、それは行政の判断によって行われるものであって、行政が義務として行っているものではないのです。ここを勘違いしてはいけません。

 最後に。
 行政法という名の法律はありません。


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