目次へ  前のテーマへ  次のテーマへ  ルフィミアネットの本はこちら

不当利得の要件と効果

 「他人に対して何かを要求できるためには契約か法律の規定が必要」という話でここまで来ましたが、法律の最後の存在と言ってもいいのが、この不当利得の規定です。不当利得というのは端的に言ってしまうと、「損をした人のその損のゆえに別の人が得をして、それが不公平だったら返させよう」という、価値判断がばりばり正面に出てくる最後の守護神的存在です。
 不当利得の規定は民法703条以下ですが、その要件を端的に言ってしまうと「損失の発生」「利益の発生」「損失と利益との間の一定の関係の存在」「利益を受けた者から損失を受けた者へその利益を返させるのが公平の理念に適うものであること」です。不法行為と違って利益を受けた者の行為である必要はありませんし、当然故意過失が必要な訳ではありません。
 不当利得も認められなければ、相手が親族で親族法・相続法の適用があるってことでもない限り、もはや相手に要求すること自体あきらめてください。


目次へ  前のテーマへ  次のテーマへ  ルフィミアネットの本はこちら