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必要なもの
その3 解説書
条文に全てのことが書かれていれば解説書の必要はありませんが、制定時点で全てのことを網羅したとしても、時代の変化にはいよいよ適応できませんから、「条文を見れば全てわかる」ということはあり得ません。したがって条文を解釈してその意味を明らかにする作業は必然的となりますし、その作業を行った書物が解説書な訳です。
解説書の中には「教科書」と呼ばれる、大学法学部の授業で使われるような標準的な書物もあります。教科書を筆頭に、解説書を手許に置いておくことは無駄ではないでしょう。仮に手許に置かないにしても図書館などで調べられる体制を整えておくことが必要です。
教科書として代表的なものを私の趣味で選んでおきます。
・芦部信喜「憲法」岩波書店
もともとは放送大学「国家と法I」の教材として書かれた薄いものでしたが、今や構成も内容も大変化し、教科書としても大部のものとなりました。初学者、専門家ともに評価の高い安心できる1冊です。
・「民法1〜9」有斐閣双書
民法の全分野を網羅し、かつわかりやすさで定評のあるシリーズ。共著である点で理論的一貫性に欠けるとの評もありますが、そういうことに気付くくらいなら、他の本にステップアップする時期です。普通ならこの本で十分です。
ちなみに民法に限らず有斐閣双書の解説書は外れはないと思っていいでしょう。
・平野龍一「刑法概説」東京大学出版会
薄い本なのでとりあえず刑法の考え方を学びたい時には最適。ただし平野説は必ずしも通説判例の採るところではないのですが、この本ではその点は意識しなくてもいいと思います。(そこまで突っ込んだ話はほとんどない。)
通説判例で行きたきゃ、有斐閣双書を選んだ方が無難かも。
ちなみに前田雅英先生の本は読みやすいし、それゆえに数年前くらいの司法試験受験生には人気があったのですが、実務がまったく「前田説って何?」状態なので、前田先生の本だけで勉強するのはきわめて危険。団藤・福田・大塚各先生に代表される古典的なラインの本と比べて読むことをお勧めします。
なお、本当に素人だというなら、これら解説書に挑む前に、入門書を読むことをお勧めします。有斐閣新書、岩波書店の法律学の第一歩シリーズ、その他青林書院、三省堂、弘文堂、法曹会、司法協会などの法律書出版社のものならどれでもいいでしょう。できるだけ薄い本をさっと読んで体系をつかむのがポイントです。
あと大著ですが、我妻栄「民法案内」は、特に大学法学部生には読破することをお勧めします。
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