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必要なもの

その1 柔軟な思考とバランス感覚

 法律学という切れ味のいい道具を使いこなせるようになるためには、まずそれを身につけなきゃいけないんだけど、意外に自分の今までの体験なんかにあてはめてその中で理解しようって人が結構多いんです。でも、それは歪みの原因。
 まず「法律学ってこういう考え方をするんだ」というのをあっさり受け入れる、柔軟な思考を持ってほしいのです。
 その結果とりあえず「法律学による見方」と「そうでない見方(たぶんそれは今までの見方)」ができるようになりますし、多角的な検討ができるということで、有益な道具を手に入れたことになるのではないでしょうか?法律学に染まる必要はないんで、法律学による見方も身につけた上で、その採否を決めてほしい訳です。
 「風姿花伝」でも書いているでしょ。まず真似ろって。
 そして次に必要なものが、バランス感覚です。
 法律というのが直接には紛争を解決するもので、いつも大岡裁きがある訳じゃないから、どんな解決策も必ず不満を残すものなのです。しかし、だからといって片方の意見にだけ耳を貸さなければならない道理はないものでして。
 法律学を学ぶ時には、ぜひ「解決策を示す第3者」の立場に引いて、考えてほしいのです。
 ……もっともこれは難しいかもしれない。訓練の必要なことかもしれません。それなら当座こういう作業をしてみてください。
「ある方の立場にたって考える」
「もう一方の立場になって考える」
「彼らと利害関係のある第3者に立って考える」
「彼らと利害関係のない第3者に立って考える」
そしてこれらの作業をしてみて、五分五分にも持ち込めない主張は、偏っていると判断していいでしょう。

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