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2通目と3通目
- 2通目
- 消費者契約電子通信料金未納の最終通達書
- まさと
- 「微妙だね〜。」
- ラピス
- 「微妙だね〜。」
- ルフィミア
- 「微妙……なんですか?」
- ラピス
- 「うん,微妙〜。」
- まさと
- 「微妙〜。」
- ルフィミア
- 「え〜,どこが微妙なんですか?」
- まさと
- 「じゃあ,逆に聞くけど,消費者契約電子通信料金ってどんな料金?」
- ルフィミア
- 「……消費者契約に基づく電子通信料金?でもたいていの通信料金って契約から発生しそうな……。」
- ラピス
- 「通信料金って,先に契約して,その契約に基づいて使用した分なり定額料金を払うものでしょう?」
- まさと
- 「消費者契約って言うけど,消費者が結ぶ契約はみんな消費者契約じゃない?そういう無意味な修飾語つけるってあたりが……。」
- ラピス
- 「微妙〜。」
- まさと
- 「意味のわからないそれっぽい用語を使うのはこの手の常套手段なんだよね。なんたって,わからない側では何か意味があるんじゃないかって思っちゃうけど,そこがこの手の狙い目な訳です。それと「通達」ってあたりも,法律のことを知らない素人っぽいなあとは思います。一般的な意味で「知らせる」という意味もなくはないけど,法律の世界では「行政官庁内において上級者が下級者に対して行う指示」という特別の意味があるから,それ以外の意味では使いたくない用語なんですよ。だから法律に詳しい人には通じないというか眉唾の表現なんです。」
- お客様番号 ○○○−○○○○○○
- この度,ご通達致しましたのは,貴殿のご利用された
- 電子通信料金未納分について,ご利用通信会社から委託
- を受けましたので大至急当社まで御支払い下さい。
- ラピス
- 「出ましたね〜。」
- ルフィミア
- 「金額が書いていませんし,どこの会社から委託を受けたかも書いていません。ということは元の会社に確かめることもできません。」
- まさと
- 「まともなところならやらないよね。」
- この葉書は,「電子消費者契約民法特例法」上,法務省
- 認可通達書となっておりますので,
- まさと
- 「こんな法律ありません。そんな通達書ありません。法務省認可なんてあり得ません。この時点でごみ箱行きにしてください。」
- 御連絡無きお客様に
- つきましては,やむをえず裁判所からの書類通達後,
- ラピス
- 「裁判所からの書類は無視したらだめだよ〜。」
- まさと
- 「裁判所の場合,民事訴訟において来るべきなのに来ないのは,相手の言い分を認めたからだとされているわけです。これは法律上そういう定めがあるからなのです。相手の言い分を認めたくなければまず指定されたときに行かなきゃいけません。これは裁判という制度に国家権力による強制力を与えるためには,仕方ないことなんです。」
- ルフィミア
- 「でも裁判所をかたってだます人もいますよね。」
- まさと
- 「裁判所に電話するなら,封筒や中身の文書の電話番号を信用しないで,電話番号簿などで調べてそこにかけた方がより安全です。でもね〜,裁判所はお金の支払などで「これを無視すると大変なことになりますよ」ということについては,特別送達郵便という書留郵便の親戚のような送り方をするもんなんです。普通郵便でも連絡はするし,刑事とか家裁の少年事件でいかにも個人が出したかのように裁判所が出すこともあるけど……。特別送達郵便以外で裁判所から郵便が来た時に,心配だったら,電話番号簿で調べておくのが安全でしょうね。」
- 指定の裁判所への出頭となります。
- ルフィミア
- 「裁判所に行かなくてもすむ制度ってないんですか?」
- ラピス
- 「ないよね。」
- まさと
- 「ないです。というのは裁判は基本的に「どっちの言い分が法律上通るかどうかは裁判やってみないとわからない」というシステムですから。で,当事者が出てこないと判断のしようもないでしょ?だから出てこない人を不利益に扱わないと,裁判のしようもないし,もしかしたら正当な権利者の裁判を拒否しかねないんですよ。」
- ルフィミア
- 「でも〜。言いがかりのような裁判にいちいち応対しなきゃいけないのは,なんとなく納得できません。」
- まさと
- 「でもね。言いがかりかどうかは,それこそ裁判をやってみないとわからないし,る〜ちゃんにとって言いがかりであることが明らかであっても他の人にとって明らかではないでしょ?」
- ルフィミア
- 「それもそうですね……。う〜ん。」
- また,裁判後の措置と
- 致しまして,給与差押え,及び動産物差押えを強制執行
- させて頂きます故,
- ラピス
- 「裁判やっても勝てるとは限らない。」
- まさと
- 「とはいえ,この点に関してだけは,相手が勝ったつもりで言ってくること自体を責める訳にはいきません。むしろ裁判をやったら必ず勝つとか必ず負けるとかそういう判断をするためには,法的な検討が必要だということ,その法的な検討なしに勝ち負け言ったところで,それは根拠がないんだってことを私達が知っておく必要があります。」
- 当社と執行官による「執行証書の交
- 付」を承諾して頂く様お願いすると同時に,
- まさと
- 「破綻してますね。まず執行証書を会社と執行官が共同で交付するというのがよくわからない。この場合の執行証書って何でしょう?それに「承諾をお願い」していますよね?承諾しなかったらどうなるんだろう?」
- ルフィミア
- 「承諾しなくてもされちゃうから強制執行なんですよね?」
- 最寄りの債
- 権回収業者へ債権譲渡を致し,
- ラピス
- 「強制執行しているのに債権譲渡するんだって。」
- ルフィミア
- 「強制執行したら回収できるんじゃないんですか?」
- まさと
- 「財産がなかったら強制執行しても回収できない,強制執行が失敗に終わるってことはありますけど……。」
- 後日,債権譲渡証明書を
- 郵送させて頂きますので御了承の上ご返送下さい。尚,
- ラピス
- 「返送する必要がありません。」
- まさと
- 「難しいことを言うと,債権譲渡をした時に,元の債権者が「今度債権譲渡したよ。新しい債権者はどこどこの誰々だよ。」と通知することはあります。だけど前にも言ったけど,新しい債権者が「自分がもらったよ」と言っても,法的な効果は全くありません。だから……返送してもそうたいしたことにはならないと思うけど……。」
- ラピス
- 「わからないのに名前書いたり判子を押したり返したりしないのが大事だよね。」
- 書面でのご連絡となりますので,請求金額,御支払い方
- 法等は当社が委託を承った事により,
- ルフィミア
- 「これも,「委任を受けた」という側のは信用しなくていい……と。」
- ラピス
- 「おさらいだけど,債権の回収の仕事ができるのは弁護士か法務省の認可を受けた業者。弁護士が本当にいるのかどうかはそこの場所の弁護士会に聞けばいい。都道府県庁所在地に弁護士会はある。法務省の認可については法務省のホームページから探せる。」
- まさと
- 「正確に言うと北海道は札幌の他に,函館・旭川・釧路にそれぞれ弁護士会がありますし,東京は「東京,第1東京,第2東京」の3つの弁護士会があります。」
- 当初の設定と相似
- がありますので,至急ご連絡をお願い致します。
- ルフィミア
- 「相似の要件は,3辺の比が等しいか,2辺の比とそのはさむ角が等しいか,1辺の比とその両端角が等しいか……。」
- ラピス
- 「それ,三角形の相似!」
- まさと
- 「きっと……「相違」って書きたかったんだろうな……。」
- 最終受付期限 平成○○年○月○○日
- 〒102−0083
- 東京都千代田区麺町○−○○−○
- まさと
- 「これ思わず笑っちゃったんだよな〜。千代田区に麹町はあるけど麺町はない。だけど微妙に似ているよね?」
- ルフィミア
- 「今は郵便番号簿にたいていの地名が載ってますから,載ってない地名だったらそれだけで信用できませんね。」
- 日本債権管理センター
- 代表03−3537−○○○○
- 担当080−3432−○○○○
- 080−3432−○○○○
- 080−3432−○○○○
- 080−3432−○○○○
- 受付時間 平日9:00〜18:00 休日 土−/日・祝日
- まさと
- 「担当者の名前もないのに携帯電話番号が数本並ぶのも微妙〜。」
- 3通目
- 電子消費者契約通信未納利用料請求最終通達書
- ルフィミア
- 「その1と比べると細かい字句の違いはありますが,構造がほとんど一緒なんですよね。」
- まさと
- 「誰か元締めがいてその指示の下でやっているのか,なんかのルートで手に入れた人が真似しているのか,実際のところわかりませんけど,もしかしたらつながりがあるのかもしれませんね。それではる〜ちゃん,軽く指摘してください。」
- ルフィミア
- 「はい。」
- お客様コード ○○−○○○○○○○
- この度ご通達致しましたのは,貴殿のご利用された「電
- 子通信料金未納分」について,ご利用通信会社から委託
- を受けましたので大至急当社まで御支払い下さい。
- ルフィミア
- 「他人の代わりに債権回収できるのは,弁護士か法務省の認可を受けた会社だけです。金額もどこから委託を受けたかも書かない通知書というのも変。」
- こちら「電子消費者契約民法特例法」上,法務省認可通
- 達書となっておりますので,
- ルフィミア
- 「でたらめな法律,あり得ない法務省の認可なので嘘だろうと。」
- 連絡無きお客様につきまし
- てはやむをえず裁判所からの書類通達後,指定の裁判所
- へ出頭となります。また裁判後の措置と致しまして給与
- 差押さえ及び,動産物差押さえを強制執行させて頂きま
- す
- ルフィミア
- 「裁判をしたから必ず勝つというものではない。ただし裁判所からの呼び出しに対しては行かないといけない。納得できないけど……。」
- まさと
- 「納得できないのはともかく……。実は最初の1回だけは答弁書を出して「原告の請求を棄却するとの判決を求める。原告の主張する事実は全て知らないか争う。」と書くという手があることはありますが……。全く行かないで勝つのはさすがに無理です。裁判所には行きましょう。」
- ゆえ当社と行政執行官による「執行証書の交付」を承
- 諾して頂く様お願いすると同時に ,
- ルフィミア
- 「執行官と会社が「執行証書の交付」に行くことはないし,承諾などという問題でもないし,強制執行で「お願い」も変。」
- ラピス
- 「行政執行官ってどんな人なんでしょうね。」
- まさと
- 「行政機関が自ら強制執行することは法律上可能なんだけど,たいていは自分のとこの職員でやるか,警察に応援頼むかなんですね。」
- 最寄りの債権回収
- 業者へ債権譲渡を致しますのでご了承下さい。
- ルフィミア
- 「強制執行しておきながら債権譲渡するのが変。」
- 尚,プラ
- イバシー保護の為,請求金額,お支払い方法等は,当社
- の担当員がお電話口で確認の上お伝えいたします
- ラピス
- 「プライバシー保護って言うならそもそも葉書は使わないよね〜。」
- ので大
- 至急ご連絡下さい。以上を持ちまして最終通告とさせて
- 頂きます。
- お電話最終受付期限 平成○○年○月○○日
- ルフィミア
- 「あまりにも怪しすぎるので電話はしてはいけません。」
- 東京都中央区東日本橋○−○○
- 財団法人東亜積債管理センター
- (代表)03−3435−○○○○
- 受付時間 平日9:00〜17:30 休日 土日・祝日
- ルフィミア
- 「郵便番号簿で実在の地名かどうかはわかるし,法務局から登記を取り寄せれば実在の法人かどうかはわかる。」
- まさと
- 「はい。よくできました。」
(2004.10.27)
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