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インストール編

 UNIXに初めて触ったのは、NEWS-1250におけるNEWS-OSだったんだけど、だいたい同じ頃にminixにも触れることができました。最初 は確かカットシステムで出していた1.2、その後ASCII版の1.5、それに物足りなく感じてPH社の1.5も取り寄せました。日経mixの回覧とかダ ウンロードでminix-V(日本語が通る)とか1.7とかを入手してはその時にあった機械に入れておりました。
 この頃のminix1.5は、「フリーウェアじゃないんだよ」という決まり文句が付されていましたが……。LINUXに押されたせいか、PH社が諦めた せいか、ver2以降は、本に付属のフリーウェアということになったようです。
 さて、しばらくUNIXから離れ、戻ってきた時にはBSDやらLINUXが実用レベルになっていたため、使うとしてもそちらを使っている(でも、一番 使っているのはwindows上のcygwinなのは内緒だ!(笑……※1))のですが……。
 東芝のリブレットがいつのまにかL1、L2、L5と増え、マウスの使えなくなったL2がBSD専用機となった今、日立FLORA220(実は270も1 台ある)の8GB程度のHDDにわざわざBSDでもなかろうということで、minixを入れてみようと思ったのです。
 入れてみたら……お手軽で軽くていいよ〜。

※1
 だってOSに興味があるというより、言語処理系に興味があって、無料の言語が使えるってところが好きだったりするのです。

1 入手
 いわゆる「バイブル」と呼ばれている、「オペレーティングシステム―設計と理論およびMINIXによ る実装」に付属しているCDを使うことにします。
 なお、ダウンロードで入手したい方は http://www.cs.vu.nl/pub/minix/ など

 それと最近はdosminixなんていうcygwin的なminixもあるらしいので、詳しい情報は http://www2.ocn.ne.jp/~fkym/dosminix.html へ。(私もあとで通信機兼開発環境になっているL5に入れようと思っています。)
 それとブランクなFDを9枚ほど。(いわゆるDOS/V用の3.5インチ2HDだと仮定します。それ以外は今では入手困難でしょう。)

2 インストールFDの準備
 CDからFDに落とします。
 CDDとFDDが両方使える機械を用意してください。OSはコマンドプロンプトとかMS−DOSプロンプトとかが出るwindows(たいていあるで しょ?)なりMS−DOSなりで。
 CDはDドライブだとします。
 コマンドプロンプト(MS−DOSプロンプトでも可……以下同様)で、
「D:」
「CD \minix\i386」
と打ちます。(※2)
 そして
「fdvol 1440 a: root usr」(※3)
と打ってください。
 FDを入れるよう要求されますから、要求通り入れまして待っていると、いつのまにかできあがります。
 「root+usr」とでも書いたラベルを貼っておきましょう。
 次に
「fdvol 1440 a: usr.taz」
と打ちます。
 今度は最初にFDを要求される他、途中で入れ替えも要求されます。
「usr1」「usr2」「usr3」と順に書いておきましょう。
 終わったら、
「cd ..」
と打って、そこでusr.tazと同様に
「fdvol 1440 a: cmd.taz」(3枚)
「fdvol 1440 a: sys.taz」(2枚)
という作業をします。
 これでインストールFD9枚が完成しました。(※4)

※2
 最近ではむしろ珍しいと思いますが、8086とか80286など、いわゆる80386より前のCPUの機械にインストールする際には、i386ではなく i86を使ってください。minixはIBM-PC/XT以上であれば動くので、8086より前のXTであれば、CDの中の文書をよく読んで、xtフォル ダの中のファイルを使うことになります。そして私がここに書いたことは役に立たないはず。

※3
 FDに書き込むコマンドでして、1440の所にはFDの容量(640 720 1200)などを入れると、そのように動いてくれます。FDDがAドライ ブ以外であれば「a:」を適宜変えればよろしい……。でも、きっとそういうことにはならないでしょう……。

※4
 なにせイメージを書き込むんで、書込みに失敗することがあります。後でエラーが出たら真っ先に書き込み失敗を疑ってください。私は1回それでやられたの で、それからは「format a:」でフォーマットし、不良セクタがない(全部使える)ことを確認して、作業しました。

3 機械の準備
 HDDの中でminix用の領域として最大1GBほど用意します。実は私がインストールしようとしたFLORA220には、既にwindows98と FreeBSDが入っていたため、windowsを起動してMS−DOSコマンドからfdiskでFreeBSDの分を消して一件落着でした。全部 windowsというのであれば、実は前にも書いたDOSMINIXがお手軽なのですが、fips.exe(これはCDのdosutilsフォルダに入っ ている)とか市販のパーティション分割ソフトなどを使って、1GBを作ってください。結構危険な作業なのでバックアップをとった上で慎重に作業してくださ い。
 あと、機械によっては、「(HDDの容量)の壁」という問題があって、windowsなりminixがその壁の範囲内に入ってないとだめってことがあり ますので、どうしてもインストールできない場合、この壁のことを疑ってください。
 ……実はFLORA220の私の持っている機械の場合8.4GBの壁があるって話のはずなんだけど、40GBのHDD入れて全部FreeBSDにしたら 全部入ってしまって……(32GBの壁もクリアかい?謎だ?)

4 インストールその1 とりあえずHDDに最低限のものを入れる
 ちなみにこの作業にあたっては、 http://www.tagiya.co.jp/~toshi/ex-j-200.txthttp://page.freett.com/minixer/room/room.html を参考にしています。
  1. root+usrFDを入れて立ち上げる
    たぶんFDDから最優先で立ち上げることになっているよね?そうなっていなかったらBIOS画面で修正だ!
    >
  2. 「^」キーを押す
    画面では「=」を押せ……と出る。だけどこの段階ではキーボードはUS-ASCIIを決め打ちしているんだね。なもんで、たいていの人は日本語キーボード でしょうから、US-ASCIIの「=」である「^」を押す次第。
  3. 「Finish the name of device to mount as /usr: /dev/」と出たら「fd0c」と打つ
    ……きっとFDDは1つしかないだろうし……。
  4. ログイン画面で「root」とだけ入力
    パスワードは不要
  5. プロンプトは「#」のはずなので「setup」と入力
  6. 注意が1から5まで表示されるのでそのままreturn(enter)キーを押す
  7. 「What type of keyboard do you have? You can choose one of:」で「japanese」と打つ
    これ以降、日本語キーボードの文字通りに入力できるようになります。
  8. それで注意書きが出たらreturn(enter)キーを押すと
      Select device       ----first----  --geom/last--  ------sectors-----
    Device Cyl Head Sec Cyl Head Sec Base Size Kb
    /dev/hd0 ? ? ?
    ? ? ? ? ? ? ? ? ?
    Num Sort Type
    ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ?
    ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ?
    ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ?
    ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ?

    Type '+' or '-' to change, 'r' to read, '?' for more help, '!' for advice
    こんな画面になりますので「r」を押してください。
    数字が入った同じ画面になります。
    例えばこんな感じ(http://www.tagiya.co.jp/~toshi/ex-j-200.txt
      Select device       ----first----  --geom/last--  ------sectors-----
    Device Cyl Head Sec Cyl Head Sec Base Size Kb
    /dev/hd0 2100 16 63
    0 0 0 2099 15 62 0 2116800 1058400
    Num Sort Type
    1* hd1 06 DOS-BIG 33 0 0 1021 15 62 33264 996912 498456
    2 hd2 00 None 0 0 0 0 0 -1 0 0 0
    3 hd3 00 None 0 0 0 0 0 -1 0 0 0
    4 hd4 00 None 0 0 0 0 0 -1 0 0 0

    at-hd0: WDC AC21000H
  9. 私の場合 hd1 に type 08 としてwindows98が入っておりましたので
    その後 hd2 にminixを入れることにします。
    矢印キーでカーソルを動かして入力することの繰り返しですが
    1. num欄で「+」を押して*をつける
    2. type欄で「81」を入れると「81 MINIX」に変わる
    3. スペースバーを押してsectorのsizeをlastに変える
    4. baseは1つ上のlastに1加えた数を指定し
    5. sizeはKb欄が「1000000」(1000000KB=1000MB=1GB)を超えないように適宜な数を指定
      (もっとも1050000でもOKで1100000ではだめ。計算すればきちんと出るんだろうけど面倒くさいのでそのまま。)
    6. 直ったところで「q」→「y」
  10. 「Please finish the name of the primary partition you have created:
    (Just type RETURN if you want to rerun "part") /dev/」で
    「hd2」と入力
  11. そうすると「Migrating from floppy to disk...」と出て、最小限のインストールが始まるんだけど、もし上でminix用に用意した領域が1GBより大きいと、領域が大きすぎてmkfsが 実行できなかったってエラーが出るから。
    そうしたらsetup入力からやり直し。(これが多かった……。)
  12. もし順調なら勝手にインストールしていきます。
  13. 「What is the memory size of this system in kilobytes? [4096 or more]」と表示されたら
    メモリーが4M以下の場合だけkb単位でメモリーの容量を入れますが、まあたいていはreturn(enter)キーを押すでいいはず。
  14. 「Please insert the installation ROOT floppy and type 'halt' to exit Minix.
     You can type 'boot hd1' to try the newly installed Minix system. See
     "TESTING" in the usage manual.
     #」で「halt」と押し
    その後
    「System Halted
     fd0>」
    で、FDDを抜いて「boot hd2」と入力します。
5 インストールその2 HDDに残り全部を入れる
……きちんと動いてログイン画面になっているよね
  1. 「root」と入力
  2. 「setup /usr」と入力
  3. 「What is the size of the images on the diskettes? [all]」にはreturn(enter)キーを押す
  4. 「What floppy drive to use? [0]」にもreturn(enter)キーを押す
  5. 1枚目を入れろと言ってくるので「usr1」FDを入れる
    以下「usr2」「usr3」の順
  6. 「Done.」と出たら、「cmd1」「cmd2」「cmd3」「sys1」「sys2」も同様に
これで一応minix2.0が単体でのフルセットで動くことになります。
あとは適宜「日本語化する」「ネットワーク化する」「その他カーネルをいじる」など、minixで楽しんでください。

その他の参考リンク
http://homepage2.nifty.com/tamotsu99/link.html

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