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まずは契約成立の基本形

ルフィミア
「ぺんぎん屋って通信販売が主体なんですか?」
まさと
「そう。民法はなぜか通信販売を前提にシステムを組み上げているんですよ。なもんで、ぺんぎん屋も通販主体。」

 ぺんぎん屋の通信販売の大基本形はこうです。
 まずお客さんから注文をいただきますと、在庫を探します。
 物があるということになりますと、代金決済や納期についての打合せをいたします。
 話がまとまりますとその打合せに基づいて代金を決済し物を納入しまして1件の取引終了ということになります。

 この時の法律関係についてみますと……
 話がまとまることで、ぺんぎん屋としては「物をお客に納める義務」と「お客から代金を受け取る権利」が発生しますし、お客の側では「代金をぺんぎん屋に払う義務」と「ぺんぎん屋から物を受け取る権利」が発生します。そこでこういう法律上の権利や義務を発生する目的でなされる約束を「契約」と呼び、話がまとまった時点をもって契約が成立したと表現することにしています。そして話がまとまった結果権利や義務が発生することを成立した契約の効果として説明することにしているのです。
 普通は約束したことは守りますから、ぺんぎん屋は物をお客に納めますし、お客は代金を支払うでしょう。そうするとお互い義務をはたし権利もそのとおり実現した訳ですから、契約は目的を終えたとして消滅することになります。
 また、話がまとまるまでは権利や義務が発生している訳ではないのも当然のことでしょう。

 そして世の中はたいていトラブルもなくうまく行っているわけですが、やはりたまにはトラブルが発生することがあります。トラブルというのは上に書いた基本形からの逸脱ですね。その逸脱がどう処理されていくのか。これから順次見ていくことにしましょう。


ルフィミア
「逸脱と言ってもいろんなパターンがありますよね?」
まさと
「はい。ですから多くのパターンをいくつかに分類しようと思っているのです。
第1は契約が成立したと言えるのかどうか、契約成立時までの問題、
第2は成立した契約について、義務の実行の前までに起きる問題、
第3は成立した契約について、義務の実行段階で起きる問題、
第4が義務の実行後に起きる問題ですね。」
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