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や〜めたは通るか?
大原則
契約を結んだ後、その実行の前に、や〜めた!なんてことができるかどうか?
結論から言えば「できません」。
できないが基本ですから、必ずおさえておきましょう。店によっては無条件で解除に応じてくれたり、物と現金のやりとりの後ですら返品=解除を認めてくれる店もあるかもしれませんが、これはその店のサービスで行っていることにすぎません。店に解除に応じなければならない法律上の義務はないのです。
さて、どんな場合に契約を解除できるのか?
話し合って納得して解除する
契約が成立した以上それを守らなければならないのは、前にも書いた「Pacta sunt survenda.(合意は拘束する)」という発想からですが、その当事者が納得して契約を解除するのであれば、第3者が口出しをするゆえんのものもないですし、解除するというその合意自体が「合意は拘束する」のですから、当事者が合意の上で解除すればそれは有効であることは言うまでもありません。
契約の中の解除の条項を使う
契約の中に解除の条項を定めておけば、それに従って解除することはこれまた当然可能です。
もっとも現実の世界では解除の条項にあてはまるかどうかが結構紛争の種になっていますし、契約締結の段階で解除の可能性が本当にあるのであれば、どんな時に解除できるのかをきちんと検討し、それを的確に表現する条項にしておく必要があるでしょう。
手付
世の中には「手付」という慣行があります。慣行というくらいで細かいところになると、当事者がどう考えていたか、またその土地やその業界でどう考えられているかによって意味が違う場合があるので、何か特別な意味があったのかどうか、きちんと見定めておく必要がありますが……、もしそういう特別な意味がないとするとこういうふうになります。
手付というのは何かというと、主に不動産の売買や賃貸の契約の際に代金の1〜2割程度の金銭を先に売主に渡しておく、そのお金のことをさします。あまり金額が大きいようだと手付けではなく内金、代金の一部を先に支払うという意味になります。手付のやりとりがあったのであれば、契約の存在が推測されますし、決済の段階では代金の一部にあてられます。そして大事な作用としては、買主の側では既に支払った手付を放棄することで、売主の側では受け取った手付に同額の金銭を添えて買主に返還することで(いわゆる手付倍返し)契約を解除することができます。一種契約の中で解除条項を定めたのと同じ効果があるのです。もっとも相手が準備を始めてしまうと手付による解除はできなくなりますが……。
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