一番最初に戻る
基本形に戻る
契約成立時までの問題……目次に戻る
次へ
ルフィミアネットの本はこちら

余談 内容証明郵便・特別送達郵便

 最近はそれでも減ったと思いますが、内容証明郵便って何か恐ろしいものと考えたり、逆に内容証明郵便を出すことが何かのおどしになるかのように考える人って、全くいない訳でもないと思います。そこで内容証明郵便というものを考えてみようと。
 そもそも内容証明郵便というのは、書留郵便にプラスアルファするサービスでして、出し方の詳細はこちらでも見ていただくこととして、「この郵便の内容は確かにこのとおりですよ」という点を郵便局が証明するものです。
 裁判においてこの内容証明郵便がどんな場面で使われるかというと……。思い出してください。意思表示というやつは相手に届かないと効力を発生しないのが大原則でしたね。相手から「そんな意思表示は到達していない」って言われてその証明をする時にどうするか……。そのために使われるものなんですね。裁判の時に相手がそういう争い方をした時に、「では、郵便局がその内容を証明していますので提出します。」と言って証拠として出す、そういうものなのです。だから「そんな意思表示は到達していない」なんて言い訳が使えないこと、ひいては相手は法的手段を念頭におきはじめたという程度には怖がらないといけないけど、逆に言えばその程度の話であって、それ以上にこわがる必要もないし、そういう効果を狙ってもしょうがないとも言えるのです。
 さてここで勘の良すぎる人は気づいたかもしれません。内容を証明しただけでは、届いたことを証明したことにはならないんじゃないか?ある郵便の中身がこうであるということの証明は、その郵便が世の中に存在することまでは証明できても、その郵便が名宛人に届いたことまで証明するものではないんじゃないか?
 その勘は正解です。
 内容証明郵便は届いたことの証明まではしません。ですんで通常は配達証明もプラスアルファするものです。世間では通常「内容証明」と言っていますが、実態は「書留&内容証明&配達証明郵便」なんですね。そしていざという時には「こういう内容の意思表示が何月何日に届いている。その証明は次のとおり。」とできるようになるのです。
 ここでことのついでに「特別送達郵便」について。
 これは裁判所が重要な書類について郵便で送る際に使われるもので、まあ一種の配達証明郵便と考えてもかまいません。ただし特別送達郵便については「差置送達」と言って、受け取るべき人が受け取りを拒否した場合に、その場に置いてしまい、その旨裁判所に報告することで受け取ったと見なされる方法がある点が配達証明と異なるところでしょう。(とはいえ、現実には郵便局員が法律をよく知らないせいか、それともお客ということで遠慮するのか、はたまた面倒を避けるためか、差置送達はやりたがりませんが……。)
 ですんで、特別送達郵便については、裁判所しか使いませんし、ことが裁判所のものですから、放置しないでおくのが身のためでしょう。もし無視したりすれば「書留郵便で発送して、発送した時点で到達したものと見なす」規定を使われてしまい、あとから何か言っても「受け取らない方が悪い」とされてしまうことがあります。

一番最初に戻る
基本形に戻る
契約成立時までの問題……目次に戻る
次へ
ルフィミアネットの本はこちら