今の日本で商売をしようとした場合、実際にはいろんな行政法規による規制がかかりますから、適用される法律は多種多様なものが考えられます。しかしこれらの法律を全部検討するのは困難ですし、そもそもこの企画、ペンギン屋を開業しようとする人に実践的アドバイスを与えようって目的ではないのですから、基本的にそのような規制についてはないものとして説明していきます。
さて、物の売り買いをする場合適用される法律は、基本的に民法です。それから「ぺんぎん屋」と名乗るぐらいですから、商売になる可能性があります。同じ物の売り買いであっても一定の場合には商法が適用されます。具体的に言うとあるペンギングッズを100円で仕入れて300円で売ろうと考える、そのことを前提に100円でペンギングッズを買うことは商法501条1号の「利益を得て譲渡す意思をもってする動産(中略)の有償取得(中略)を目的とする行為」にあたりますし、それを300円で売ることは「その取得したるものの譲渡を目的とする行為」にあたるので、同条により誰がやっても商行為になります。商行為ということになれば商法3条によって商法の適用がありますし、民法との関係は商法1条によって「商法優先、商慣習法がこれについで、民法はその次」となります。したがって儲けるつもりで店をはじめて取り引きするとなれば、本来は真っ先に商法を説明しなければならないのですが、今回の企画は具体例を元に民事法を学ぼうという目的ですので、基本を民法に置き、商法をその特則として説明します。
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