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(旧)公益質屋法

1条
 市町村(特別区ヲ含ム以下之ニ同ジ)又ハ社会福祉法人ハ本法ニ依リ公益質屋ヲ経営スルコトヲ得
2条
 本法ニ依ル公益質屋ニ非ザレバ其ノ名称中ニ公益質屋タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ
3条
 国庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ予算ノ範囲内ニ於テ市町村又ハ社会福祉法人ニ対シ公益質屋ノ設備ニ要スル経費ノ2分ノ1以内ヲ補助ス
4条
 貸付金額及貸付利率ハ命令ヲ以テ定ムル限度ヲ超ユルコトヲ得ズ
5条
 利子ノ計算ニ関スル期間ニ付テハ月ヲ以テ計算シ民法第140条乃至第143条ノ規定ヲ適用ス但シ1月ニ満チザル日数ガ16日以上ナルトキハ之ヲ1月トシ其ノ16日未満ナルトキハ之ヲ半月トシテ計算ス
6条
 貸付金ニ対スル利子ニシテ1銭未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ其ノ端数ハ之ヲ切捨ツ其ノ全額1銭未満ナルトキハ之ヲ1銭トス
7条
 公益質屋ニ於テハ其ノ質契約ニ関シ元金及利子ノ外何等ノ名義ヲ以テスルモ質置主ヨリ金銭其ノ他ノ利益ヲ受クルコトヲ得ズ
8条
 流質期限ハ質契約成立ノ日ヨリ4月未満ノ期間内ニ於テ之ヲ定ムルコトヲ得ズ4月未満ノ期間内ニ於テ之ヲ定メタルトキハ其ノ期間ヲ4月トス
9条
 流質期限到来前ニ於テ質物ノ交換又ハ質物ノ一部ノ受戻ヲ為シタルトキト雖モ利子ノ計算及流質期限ニ付テハ質契約ノ変更ナキモノト看做ス
10条
 質置主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ一部弁済ヲ為スコトヲ得
11条1項
 公益質屋ハ流質期限ヲ経過シタルトキハ其ノ質物ヲ処分スルコトヲ得
11条2項
 流質物ハ競争入札ニ依リ之ヲ売却スベシ
11条3項
 特別ノ事情アル場合ニ於ケル流質物ノ処分ニ関シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
12条
 流質物処分前ニ於テ質置主ガ元金、利子及流質期限経過後質契約ガ存続シタリトセバ支払フコトヲ要スベキ利子ニ相当スル金額ヲ支払ヒタルトキハ流質物ハ之ヲ返還スベシ
13条1項
 流質物ノ売却代金ヨリ元金及利子ニ相当スル金額並ニ命令ヲ以テ定ムル手数料ヲ控除シタル残余金ハ之ヲ質置主ニ交付スベシ
13条2項
 流質物ヲ一括シテ売却シタル場合ニ於ケル各流質物ニ対スル代金ノ計算ニ関シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
14条1項
 前条第1項ノ規定ニ依リ交付スベキ残余金額ハ之ヲ質置主ニ通知スベシ
14条2項
 前項ノ通知ヲ発シタル日ヨリ6月ヲ経過シタルトキハ残余金ノ交付ヲ請求スルコトヲ得ズ
15条1項 
 質屋営業法第12条乃至第14条、第16条、第17条第1項、第3項及第4項、第18条並第20条乃至第24条ノ規定ハ公益質屋ニ之ヲ準用ス
15条2項 
 質屋営業法第19条第2項ノ規定ハ第11条第3項ノ規定ニ依ル流質物ノ処分ニ之ヲ準用ス
15条3項 
 質屋営業法第18条第2項及第3項ノ規定ハ第12条ノ流質物ノ返還及第13条第1項ノ残余金ノ交付ニ之ヲ準用ス
15条4項 
 質屋営業法第28条第3項第2号及第4項ノ規定ハ社会福祉法人ノ経営スル公益質屋ニ之ヲ準用ス
16条
 本法ニ違反スル質契約ニシテ質置主ニ不利ナルモノハ其ノ不利ナル部分ニ限リ之ヲ為サザルモノト看做ス
18条1項
 第2条ノ規定ニ違反シタル者ハ100円以下ノ過料ニ処ス
18条2項
 非訟事件手続法第206条乃至第208条ノ規定ハ前項ノ過料ニ之ヲ準用ス
19条 
 公益質屋ヲ経営スル社会福祉法人ノ理事又ハ従業員左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ100円以下ノ罰金ニ処ス
一 第15条ノ規定ニ依リ準用スル質屋営業法第12条、第13条前段、第14条、第17条第1項若ハ第3項又ハ第21条第2項若ハ第3項ノ規定ニ違反シタルトキ
二 第15条ノ規定ニ依リ準用スル質屋営業法第24条第1項ノ規定ニ依ル警察官ノ立入又ハ質物若ハ帳簿ノ検査ヲ拒ミ妨ゲ又ハ忌避シタルトキ
20条 
 本法中町村ニ関スル規定ハ町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ町村ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
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