まず確認するとナンバープレートの交付等は基本的には道路運送車両法及びその関連法令の問題なんだけど、道路交通法がそれらの条文を引用していない限りは、道路交通法の問題は道路交通法を丁寧に検討しなければならず、引用や準用もしていないのに安易に他の法令を持ってきちゃいけないのね。うちわでは道路交通法関連だと「道路交通法における道路と道路法による道路は違う」ってよく言いますが。
道路交通法の中で自動車の種類というのが出てきますが、これは道路交通法2条と3条に定義がされているんですね。
2条1項9号の自動車の定義は「原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、原動機付自転車(以下中略)以外のものをいう。」
2条1項10号の原動機付自転車の定義は「内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車以外のものをいう」
そうすると原動機付自転車については内閣府令を見なければいけない。この内閣府令は道路交通法施行規則なんで、これをつらつら見ていると、1条の2で
「道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号。以下「法」という。)第二条第一項第十号 の内閣府令で定める大きさは、二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあつては、総排気量については〇・〇五〇リツトル、定格出力については〇・六〇キロワツトとし、その他のものにあつては、総排気量については〇・〇二〇リツトル、定格出力については〇・二五キロワツトとする。」
とあるので、いわゆるエンジンの場合に限定して2条1項10号を書き換えると
「50cc以下の総排気量を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車以外のものをいう」
となります。
ここまで来ればあとは簡単。
49ccのカブは「50cc以下の総排気量を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車以外のもの」だから、道路交通法でいう「原動機付自転車」、89ccのプレスカブは、原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、原動機付自転車(以下中略)以外のものをいう。」だから道路交通法では「自動車」になるのです。さらに3条によって分類されるけど……。
ここまでの過程に道路運送車両法やその関連法令は全く出てこないでしょ?道路交通法の定義規定と道路交通法施行規則の定義規定だけで、きちんと定義ができてしまった。ということは、定義にない基準、たとえば「このバイクは原付2種で登録してある」なんてことは、道路交通法上はなんの関係もないし、それが関係あるとすることは「法令にない基準を勝手に付加して結論を変えてしまう誤り」なのです。