1. 総則
1.1 fjとNGMP
1 fjとは、インターネット上で流通するニュースグループ(以下NG)群のうち、「fj.」で始まる名称を持つものである。
2 fjのNGを購読する者を「fj参加者」(または単に参加者)と呼ぶ。
3 日本におけるインターネット発展の歴史的連続性に鑑み、fjの使用は非営利目的に限るものとする。
4 「ニュースグループ管理の手引き」(News Group Management Protocol、以下NGMP)はfjのNGの構成を管理する手順を定めたものである。
5 本NGMPはfj参加者の意見を集約して作成されたものであり、以下に定めるfjニュースグループ管理委員会(以下委員会)が管理している。
6 本NGMPの目的は、統一され安定したNG群の構成を管理することにより、多くのfj参加者が有益と考える情報交換を可能にすることである。このため、NGMPではNG群の管理手順を定め、委員会がこれに従いNGリストの維持とコントロールメッセージ発行を一括管理するものとしている。
7 本文書の引用、複写、要約などは自由におこなってよい。ただし、本文書の題名およびどの版からの引用、複写、要約であるかを明示すること。
解説1 非営利目的の使用とは「直接に利益を得ることを目的としない投稿」を意味する。製品等に関する一般的な説明や不要品の売却等に関する投稿は、fj参加者全般の便宜を目的とする限り非営利と考える。特定製品等の販売促進等を目的とする投稿は営利目的であり受け入れられない。
解説2 fjとは「From Japan」の略である。決して「For Japanese」ではない。ただし、本手引きに定めるニュースグループでの公告、委員会への連絡、および委員会から参加者への連絡には日本語を使用するものとする。
解説3 ここでいう「管理」とはfjのNG群のリストを管理することであり、その内容(個別の記事)を管理することは含まない。
1.2 fjと管理主体
1 委員会の構成員(以下単に委員)およびfjを購読しているサイトの管理者を併せたものをfjの管理主体と呼ぶ。
2 fjに投稿された記事に関する責任はすべてその記事を投稿した個人にあり、管理主体にはない。
3 ただし、管理主体は記事の内容が著しく不適切であると判断した場合、その投稿を削除するための適切な処置を講じることができる。
4 ニュースシステムの性質上、fjを伝達するサイトはfjのすべてのNGを伝達するよう努めなければならない。
5 fjを購読する各サイトは、fjのNG群の構成の管理に関してはNGMPに従わなければならない。
6 fjを購読する各サイトは、「fj.」という名前ではじまるfjに属さないNGを作ってはならない。
解説1 サイトとは同一管理者(群)が管理する計算機システム群をいう。
解説2 ニュースグループの配送機構上、他のサイト間相互の記事の中継を行うサイトと行わない(末端ないしleaf)サイトがある。「伝達するサイト」は前者、「購読するサイト」は前者と後者を併せたものを意味する。
解説3 委員会が行う「適切な処置」とは、あくまでNGMPに則った処置(たとえば削除CFDの提出等)を想定している。
2. 管理委員会
2.1 委員会の組織
1 fjのNG管理は委員会がおこなう。ただしNG管理グループ(後述)における参加者の発言と委員の発言は同等に尊重される。
2 委員会は後述する投票により選出された委員から成る。
3 委員会は互選により議長を選出する。
4 委員会の決定は委員の過半数の賛成を必要とする。
5 委員会はNG群を複数の管理分野に分割して管理する。
6 既存のNGおよび新規に提案されるNGがどの分野に所属するかは委員会が決定し公開する。
7 委員会は委員の中から管理分野ごとに管理人を指名する。
8 管理人の指名されていないNGについては議長が管理人を兼ねる。
9 管理人は委員会を代表して当該分野の管理をおこなう。ただし委員会が必要と認めた場合には、委員会が直接当該分野の管理をおこなうことができる。
10 管理人は不在その他の理由がある場合、委員会の承認のもとに、代理人を指名できる。
11 委員会はfj参加者間の紛争には介入せず中立を保つ。
解説1 委員会なのになぜ議長かというと、議論をすることが仕事の多くを占めるからである。
解説2 各分野の管理を担当する委員を「管理人」と呼ぶのは歴史的な伝統をいくらかでも伝えたいからである(初期のNGMPでは分野ごとに管理人を選任し、委員会はその緩い集合体と位置付けられていた)。
解説3 委員は管理行為に参加できなくなる期間(不在期間)がある場合、可能なら委員会に通知しなければならない。通知の有無によらず、不在か否かは最終的に委員会が判断する。
解説4 代理人は委員でなくてもよい。その場合は2.3の業務の一時委託に相当する。
2.2 委員会の業務
1 委員会は分野ごとにその分野のNG管理に関する議論をおこなうグループを決定する。これをNG管理グループと呼ぶ。
2 委員会はNGMP、NGリスト、モデレーターのリストをNG管理グループにおよそ1か月の間隔で定期投稿する。
3 参加者および委員会のfjのNG群の構成の管理に関する議論はNG管理グループでおこなわれる。
4 委員会の議論は委員会メーリングリストでおこなってもよい。ただし、その内容はセキュリティー等の問題のない限りNGで公表されなければならない。
5 委員会は参加者の意見を尊重しながら、以下の作業をおこなう。
a) NGリストの管理
b) NGの作成、廃止に関するコントロールメッセージの発行
6 委員会は参加者の意見を尊重しながら、以下の事項を決定できる。
a) fjのNG群の全体構成に関する統一的な指針の提案。
b) fj直下のNGや新しいサブカテゴリーの作成と削除。
c) 本NGMPの変更。
7 これらは後述のCFX形式でNG管理グループに提案され、その成立をもって承認されるものとする。
8 委員会はfjのNG群のモデレーターのリストを管理する。モデレーターの就任および退任は委員会の同意を必要とする。モデレーターの変更があった場合には、委員会はNG管理グループにこれを告知する。
9 管理人はその管理行為についてfj参加者から疑問が出された場合、これに回答しなければならない。ただしきわめて回答が困難な疑問については、回答が困難な理由の提示をもって代えてもよい。いずれの場合でも、返答はきわめて理解が困難なものであってはならない。
解説1 NG管理グループの例としてはfj.news.group、fj.news.group.*、fj.news.policyなどが挙げられる。どのグループをどの用途に使うかは委員会が定める。
解説2 直下のNGの例としてはfj.1st-readme、直下のサブカテゴリーの例としてはfj.newsなどがあげられる。
解説3 委員会の決定事項の承認はCFDを経ずにCFXのみの形式を取る。したがって、その所要期間は2週間(CFA/CFR)または3週間(CFV)である。CFA/CFRに異議が出された場合、CFVに進んでもよいが、決定事項を取り下げてもよい。
2.3 委員の選出
1 委員の選出に際してはfj参加者は3名以上から成る投票管理機関を組織し、選出投票を管理する。
2 立候補または推薦による候補者のうち、fj参加者の投票により信任を得たものが委員となる。
3 候補者は、本NGMPに規定される委員としての行為を遂行する能力と意思を持つことが要求される。
4 各候補者について、参加者は一人一票のE-Mailによる記名投票により、信任票または不信任票を投ずる。投票期間は3週間とする。
5 指定された形式に従っていない投票は無効票とし、集計から除外する。ただし投票期間内であれば改めて指定された形式に従った投票を提出し直すことはできる。有効な投票の内容を変更することはできない。
6 信任票を有効票の2/3以上かつ100票以上得た者を当選者とする。ただし10名を超える場合は、後述の「複数選択投票」に準じ、10位までの候補者を当選者とする。
7 選出投票の結果はNG管理グループにおいて公開されなければならない。
8 各委員の任期は1年とする。ただし、次期委員会発足までは、前任者が引き続き管理を担当する。
9 連続して就任する場合は3回を限度とする。連続しない就任については回数の制限はない。
10 委員会は必要と認めた場合、委員会の指名した人物に委員会の業務の一部を委託することができる。ただしその場合でも委託した行為に付随する責任は委員会が負うものとする。
解説1 10位までとなっているのは10位が複数人の場合を想定している。
解説2 業務の一部委託は、委員会の技術力の不足 ^_^; 、委員の退任等により委員会の業務を委員だけでまかなうのが難しい場合を想定している。委託された人物が見掛け上管理人の業務をおこなうこともあり得るが、その場合でも各管理行為について委員会の(暗黙の)承認が前提となっているものと考える。
2.4 委員の解任
1 fj参加者は委員の解任動議を提出する権利を持つ。動議はNG管理グループにおいて公表されなければならない。
2 解任動議においては、その理由を明示しなければならない。明示されている限りにおいて、動議提出に際して理由の適否は問わない。
3 動議の提出者は、3人以上からなる投票管理機関を組織し、その旨をNG管理グループにおいて公表しなければならない。投票管理機関を組織できない場合、動議は無効となる。
4 解任動議の投票開始は投票管理機関の全員一致で決定し、NG管理グループにおいて告知されなければならない。
5 解任動議に対する投票は参加者の一人一票によるE-Mailによる記名投票でおこない、賛成/反対の二者択一投票とする。
6 指定された形式に従っていない投票は無効票とし、集計から除外する。ただし投票期間内であれば改めて指定された形式に従った投票を提出し直すことはできる。有効な投票の内容を変更することはできない。
7 解任動議の成立条件は投票期間3週間、賛成2/3以上、賛成100票以上とする。
8 解任動議投票の結果はNG管理グループにおいて公表されなければならない。
3. ニュースグループの管理手順
1 NGの管理手順は提案(Proposal)、公告(CFD)、合意方式(CFX == CFA、CFR、CFVのいずれか)選択、管理行為の実施の各段階を含んでいる。
2 参加者の行為がNGの管理手順に合致していない場合、管理人は参加者に修正を促したり自ら不備を補うことで手順を進行するか、または手順を指定した段階まで差し戻すものとする。いずれの場合でも決定はNG管理グループで告知されなければならない。
3 管理行為の是非や手続きの進め方について参加者間で意見の相違がある場合、管理人はできるだけ中立的な立場を取るものとする。
解説1 管理手順に合致しない場合についての規定は、軽微な(と管理人が判断する)問題に対処したり、逆に告知記事が事故で流れない等の重大な問題に際してやり直しを可能にするためのものである。
3.1 状態遷移図
[Proposal] [CFD]
2か月
|----//---->|---CFD変更・CFX選択----->| 時間切れ/管理人委託
提案 公告
| ^ v
(省略可)
| | +--CFX選択-->|
|異議
|
v |
|
[CFA/CFR] 2週間
|
|……………|---|---|………| (提出期間) |
異議待ち v
|管理行為の
~ +------------------>| 実行/却下
|
|
v
|
1週間 [CFV] 3週間
|
| |………|---|---|---|…| (提出期間) |
(最新公告)
投票 v
|
|---|---------->|
確認
3か月
|……………………………………………………|---->
再CFD可
解説1 時差や管理の手間を考慮し、期間については1日程度の誤差は許容される。
3.2 提案/Proposal
1 CFD以前の議論をProposalと呼ぶ。Proposalに対して、管理人は何の権限も持たない。Proposalは省略してもよい。
解説1 内容が漠然としていてもProposalとしてNG管理グループに提出できる。この段階からCFD開始までの間に具体的な内容と告知先を決定することになる。
3.3 公告/CFD (Call for Discussion)
3.3.1 CFDの条件
1 CFDは議論開始の公式な宣言である。CFD後は、管理人が権限を持って関与し、提案者と共同して期間内に管理行為を決定することをめざす。
2 CFDは参加者または管理人がおこなう。
3 CFDは複数の参加者が共同で提案してもよいが、そのうちの1人が代表者とならなければならない。以下この代表者を単に提案者と記す。
4 CFDは次のa)?e)のうちの1つだけを提案するものでなくてはならない。
5 CFDには、CFD期間(開始日および満了予定日。満了予定日は開始日の2か月後)が明示されているとともに、該当する項に示された情報をすべて含んでいる必要がある。これら以外の情報、理由づけなどは要求しない。
a)作成: NGの名称、NGの憲章、1行英文、moderated/unmoderatedの別
b)削除: 削除の対象のNG
c)名称変更または移動: 変更対象のNG群、変更後の名称、憲章、1行英文、moderated/unmoderatedの別
d)憲章変更: NGの名称、変更後の憲章および1行英文
e)moderated/unmoderatedの変更: 対象NGの名称、変更後の憲章および1行英文
6 前記の情報に関して複数の候補を持つこともできるが、複数選択投票以外の合意方式を選択する場合にはCFXまでに1つに絞らなければならない。
7 CFDはE-Mailにより委員会に通知されるとともに、NG管理グループおよび関連するNG群に可能な限りクロスポストにより告知されなければならない。
8 NGが属する分野の管理人が当該CFD(およびそれに付随するCFX等)を扱う。NG群が複数の分野にまたがる場合は、委員会が担当管理人を決定する。
9 管理人はCFDのNG管理グループにおける流通が確認された時点で、CFDの開始をCFD記事の投稿時点に遡って認定する。
10 管理人は提案者からのE-Mailを受領した時点、およびNGでの流通を確認し認定した時点で、提案者にその旨を通知する。ただし両者が時間的に接近している場合は1つの通知で兼ねることを妨げない。
11 CFDの内容がfj直下のカテゴリーに変更を及ぼすものである場合は、委員会は2.2節の規定により当該CFDの変更を提案できる。この場合、CFXによる決定まで当該CFD期間を中断させる。
解説1 CFDがa)?e)のうちの1つだけを提案するというのは、例えば1つのCFDで新設と削除を同時に提案できないという意味である。
解説2 1行英文はニュースリーダーなどの参照機能に使用するためのものであり、60文字程度に収めることが望ましい。
解説3 CFDの告知はクロスポストが原則であるが、クロスポストの不可能な環境や、関連グループが多数のため1つのクロスポスト記事にできない場合などはマルチポストもやむを得ない。
解説4 CFDはNG管理グループで流通しなければ有効でないが、管理人がそのことを確認できるのは投稿時点より後になる。このため、遡って開始時点を認定することが必要となる。
解説5 fj直下の変更について、委員会で討議した上、問題があるという結論に達した場合、委員会が変更内容を提示して1回だけCFXをおこなう。そのCFXが成立した場合、CFDは変更された上で続行される。
解説6 CFD途中での中断はCFDの変更により当該CFDがfj直下のカテゴリーを変更するCFDとなった場合に起こり得る。
解説7 CFDの中断期間は満了期限の計算に含まれない。
3.3.2 CFDの変更
1 提案者は、CFD期間中に内容を変更できる。変更前後を同一のCFDとして扱うかどうかは管理人が判断する。
2 CFD期間中に提案者を変更できる。その場合は変更前後の提案者、および管理人の同意を必要とする。
3 提案者は、CFD期間中に公告記事のクロスポスト先を拡大してもよい。提案者判断によるクロスポスト先の縮小は認めない。管理人がクロスポスト先の変更(拡大を含む)を指示した場合、提案者はそれに従わなければならない。
4 CFD内容、提案者、またはクロスポスト先の変更があった場合、提案者(提案者の変更の場合は新旧いずれでも)は変更内容をE-Mailで委員会に通知するとともに、NG管理グループで具体的に提示しなければならない。
解説1 CFD期間は参加者の合意により選択方式を決定するための期間であり、CFD期間が満了(後述)した後、最終的に管理行為が公表され実施されるまでには1週間から数週間(管理人裁定の有無や異議の有無などによる)を要する。
解説2 クロスポスト先の縮小規定は、提案者が不適切な大量クロスポスト/マルチポストをおこなった場合に、これを是正するための規定である。縮小案内を再度大量クロスポストすべきではないので、縮小の公告はおこなわず、次の公告から適正な範囲にポストする。
解説3 CFDの内容が変化していくうちに一部のクロスポスト先が不要になったと提案者が判断した場合は、管理人の承認があればクロスポスト先を縮小してもよい。
3.4 合意方式(CFX)の選択 (Call for Approval/Rejection/Vote)
1 NGMPではCFD期間の間に唯一の合意方式(CFX)を選択することをめざす。
2 CFXは原則として提案者が出す。管理人が出すこともできるが、その場合は提案者の意思を尊重しておこなう。
3 CFXとしては次の選択肢がある。
a) 沈黙による承認(CFA: call for approval) : 異議が出なければ提案は承認される。
b) 沈黙による却下(CFR: call for rejection) : 異議が出なければ提案は却下される。
c) 投票による決定(CFV: call for vote) : 投票により承認/却下を決定する。
4 CFXの告知はCFDで必要とされた情報を含まなければならない。
5 加えて、CFXの告知はCFXの開始時点と終了時点を明示しなければならない。
6 CFXの期間中はCFDの内容を変更することはできない。
7 CFA/CFRはCFDと同時に出すことができる。CFVはCFDが出されてから1週間は出すことができない。
8 CFDのクロスポスト先や内容に変更があった場合、その変更から1週間以内はCFVを出すことはできない。CFV開始後にクロスポスト先を変更することはできない。
9 CFXの告知は最新のCFDと同一のNGにポストされるとともに、委員会にE-Mailで送付されなければならない。
10 管理人はCFXのNG管理グループにおける流通が確認された時点で、CFXの記事に記載された開始時点に遡って、CFXの開始を認定する。
11 管理人は提案者からのE-Mailを受領した時点、およびNGでの流通を確認し認定した時点で、提案者にその旨を通知する。ただし両者が時間的に接近している場合は1つの通知で兼ねることを妨げない。
12 提案者はCFXの告知記事の内容を周知させるよう努めなければならない。
解説1 管理人によるCFXは、提案者の不在等により、提案者によるCFXが出せない場合を想定したものである。
解説2 クロスポスト先の制約は提案者に適用されるものであるが、第三者がCFVの告知記事や投票の呼びかけを他のグループに転載することを控えることが強く望まれる。投票は興味のあるユーザーグループを同定するのが目的であり、対象となるグループに興味のないユーザーが、投票にのみに参加するのは望ましくない。どうしても投票を告知したい場合は、CFVの告知記事そのものではなく、Message-IDを引用するなどして、告知がおこなわれているグループへユーザーを誘導することが望ましい。しかし、第三者の行為を理由にしてCFVを無効にすることはできない。
解説3 CFXはNG管理グループで流通しなければ有効でないが、管理人がそのことを確認できるのは投稿時点より後になる。このため、遡って開始時点を認定することが必要となる。
解説4 告知内容を周知させる標準的な方法は、1週間毎程度の間隔で告知記事を反復して投稿することである。
3.5 沈黙による決定 (CFA/CFR)
3.5.1 CFA/CFRの条件
1 CFA/CFRは議論を収束させる中間点を意図しており、議論中でもCFA/CFRを出せる。
2 CFA/CFRの期間は2週間とし、この間に1人以上による異議(Objection)が提出されなければCFA/CFRが成立し、管理行為が決定する。
3 CFA/CFRを出す場合には異議の形式について規定しなければならない。異議を出すのが困難な形式を指定してはならない。
4 CFA/CFRが成立した場合、提案者はそのことを委員会へのE-MailおよびNG管理グループへの投稿により通知しなければならない。
解説1 提案者が(CFD内容を修正したいなどの理由で)自ら異議を出すことで、実質的にCFA/CFRを取り下げることができる。
解説2 CFRは何らかの管理行為をめざして議論を始めたが、議論の結果が管理行為を行わないのが適当であるとなった時、その合意を確認する手段としての使用が想定されている。
解説3 異議の形式として慣習的に「Subject: [Objection] (元Subject:)」というものが指定されることが多い。
3.5.2 CFA/CFRに対する異議
1 CFA/CFRに対する異議の提出者は、異議を提案者と委員会にE-Mailで通知するとともにNG管理グループで公表しなければならない。異議の提出者が投稿を行えない場合は提案者または管理人が異議の文面をNG管理グループに公表する。
2 異議はどのCFA/CFRに対するものか明確でなくてはならない。
3 異議に理由づけは必要とされない。
4 異議を取り下げることはできない。
5 期限内に委員会に届かない異議、および指定された形式に沿っていない異議は無効とする。
6 CFA/CFRが異議により不成立となった場合、委員会はそのことをNG管理グループに告示する。
解説1 委員会と提案者の両方に異議が届くことになる。事故等により届いたかどうか定かでない場合は委員会が最終的に判定する。
3.6 投票(CFV)
3.6.1 投票に関する条件
1 CFXとして投票(CFV)が選択された場合、本節で定める方式により投票をおこなう。CFVに対する異議は認めない。
2 投票は参加者のE-Mailによる記名投票、一人一票、投票期間3週間、賛成/反対の二者択一とする。条件付き投票は認めない。
解説1 From:に含まれるコメントをもって記名としてよい。
3 指定された形式に従っていない投票は無効票とし、集計から除外する。ただし投票期間内であれば改めて指定された形式に従った投票を提出し直すことはできる。有効な投票の内容を変更することはできない。
4 賛成が50票以上かつ過半数のとき提案は承認される。
5 投票において理由づけは要求されない。投票内容を理由にして投票者の今後の投稿にいかなる制限も加えることはできない。
6 投票は提案者または提案者が指名した代理人が管理する。これを投票管理者と呼ぶ。
7 投票管理者が自動集計システムや他サイトが提供する投票箱などの機能を利用した場合でも、投票管理および結果公表の責任は提案者が負うものとする。
8 自動集計システムや投票箱などに付随した制約は、CFVの通知に含めなければならない。そのような制約は、投票結果に不公平をもたらさないものに限り認められる。
9 CFVの内容や期間はCFV開始後は変更することができない。
3.6.2 複数選択投票
通常の投票に代えて、複数選択投票をおこなうことができる。
1 各候補は独立したCFVに要求される条件を満たす必要があり、独立したCFVと同様に投票管理される。
2 複数候補が成立した場合の選定方法は、以下の順序で優先度の高い算定法による値の大きい候補が採択される。
a) 賛成/反対の比率
b) 賛成票の数
3 いずれの値も同じである場合は管理人が選択する。この選択に関する異議は認めない。
3.6.3 投票結果の公表 (Vote Result)
1 投票結果は委員会にE-Mailで通知するとともにNG管理グループに公表しなければならない。
2 公表には集計結果に加えて全投票者の投票内容が付随しなければならない。
3 まとめて公表する場合は、個別に公表するものと同等なものに限り許される。
解説1 投票期間終了後、正式な公表に先立って投票内容を公開しチェックをおこなう場合が多い。
3.6.4 署名募集(CFS)
1 前項までの記述に関わらず、提案者はCFVに代わって賛同者の署名を集めることで提案の承認を得ることができる。この手続きをCFSと呼ぶ。
2 署名は参加者のE-Mailによりおこない、募集期間3週間とする。条件付き署名は認めない。
3 CFSを選択する場合、提案者は募集期間開始1週間前までに提案の内容と趣旨、募集期間、集計方法をE-Mailにより委員会に通知するとともに、NG管理グループへの投稿により告知しなければならない。
4 提案(後述する別の案を含む)に反対するもの、および別の案を提案するもの(以下反対者)は、それぞれの案への賛同の署名を集めることで提案の承認を阻止、または別案の承認を得ることができる。ただし、別案は提案者のCFDから逸脱するものであってはいけない。
5 反対者は提案者のCFS予告から募集期間終了までの間に、対象となるCFS、反対する内容と趣旨、集計方法をE-Mailにより委員会に通知するとともに、NG管理グループへの投稿により告知しなければならない。
6 反対者の署名募集期間は提案者の署名募集期間と同一か、それに含まれる期間でなければならない。
7 提案者は募集期間開始より前であれば、CFSを中止できる。その場合はその旨をE-Mailにより委員会に通知するとともに、NG管理グループへの投稿により告知しなければならない。
8 提案者は募集期間の1週間前以降は募集内容および期間を変更することはできない。募集内容および期間を変更する場合は、CFSを一旦中止して新たに開始する必要がある。
9 反対者は募集開始以降は募集内容および期間を変更することはできない。
10 提案者、反対者とも、複数人が共同して署名を募集できるが、そのうちの1人が代表者とならなければならない。
11 署名は提案者/反対者または提案者/反対者が指名した代理人が管理する。これを署名管理者と呼ぶ。
12 1人の署名管理者が複数案の署名を管理してもよい。
13 署名管理者を交替する必要があるときは共同提案者/反対者内で合意の上、その旨をE-Mailにより委員会に通知するとともに、NG管理グループへの投稿により告知しなければならない。
14 複数の署名管理者が同一内容の署名を別個に募集することは自由である。ただしこれらの署名は別個のものとして扱われ、集計を合算することはできない。
15 署名管理者は署名管理に関して公正を保たなければならないが、中立を保つことは要求されない。署名の案内、趣旨説明、中間集計の公開などによって署名を促す行為は随時行なってよい。
16 指定された形式に従っていない投票は無効票とし、集計から除外する。ただし投票期間内であれば改めて指定された形式に従った投票を提出し直すことはできる。有効な投票の内容を変更することはできない。
17 同一の参加者が複数の署名募集に応募してもよい。
18 募集期間終了後、署名管理者は3.6.3節「投票結果の公表」に準じて収集した署名内容を公表しなければならない。公表が著しく遅延された場合、委員会はその署名の案を無効として考慮対象から除外することができる。
19 50票以上かつ最も多い署名を集めた案が採用される。同一署名数の案が複数ある場合は管理人が選択する。この選択に関する異議は認めない。どの案も50票以上の署名を集めなかった場合は提案が却下される。
20 管理人は選択に際し、不公正、事故、その他の問題があったと判断する案を選択対象から除外した上で選択するか、またはその影響が大きいと考える場合、CFSを予告以前の段階まで差し戻すことができる。いずれの場合も管理人は判断の理由を明示しなければならない。
21 CFSが差し戻された後は、再度予告から始めてCFSを実施することも、他のCFXを選択することも通常通り可能である。
22 署名において理由づけは要求されない。署名内容を理由にして投票者の今後の投稿にいかなる制限も加えることはできない。
解説1 CFSは、通常のCFVにおいて提案者が自分のくみしない選択肢の票を管理しなければならず、そのため中立を(少なくとも社会的圧力として)求められることの不自由さを解消するための試みである。このため、CFSの規定は署名募集者の中立を求めず、また署名募集者(およびその賛同者)は自己の責任で募集を行うことを前提としている。
解説2 反対者の別の案が提案者のCFDから逸脱してはならないという規定は、別案として、同時にCFDが可能な案や、全く無関係な案の提出を防止するためのもので、管理人がその判断を行う。
3.7 CFD期間の満了 (Expiration)
1 CFD期間は、次のいずれかの場合に満了する。
a) CFAまたはCFRが異議なく成立したとき。
b) CFVの結果が確定したとき。
c) CFXに関する合意が成立しないまま開始から2か月経過したとき。
2 ただし、2か月の締切にまたがってCFXが行われている場合はその終了まではCFD期間は満了しないものとする。
3 それ以外の場合でも、2か月の締切は管理人の判断に基づき弾力的に修正できる。
4 合意が不成立のままCFD期間が満了した場合、提案者はその旨をE-Mailで委員会に通知しなければならない。
5 合意が不成立のままCFD期間が満了した場合、管理人が管理行為(CFX)を選択する。このCFXに対する異議は認めない。CFXがCFA/CFRのときはそれが直ちに成立する。CFVの場合は管理人または管理人が指定した代理人が投票管理をおこない、その結果に従う。
解説1 2か月の締切になっても、速やかにCFXを出せば合意に到達できる見通しがあると管理人が判断した場合には、満了期間を延長してCFXによる合意をめざすことができる。
3.8 管理行為の実行 (Execution)
1 管理人または代理人は、CFA/CFRの成立または投票結果に従い、newgroup/rmgroupコントロールメッセージを発行する。
2 管理人または代理人以外のものが発行したnewgroup、rmgroup、checkgroupsコントロールメッセージは、fjでは無効とする。委員会はこれら以外のコントロールメッセージを管理しない。
3 管理人は管理行為をNG管理グループで公表しなくてはならない。特別の理由がない限り、公表はCFXの結果が確定した後1週間以内におこなうものとする。
4 newgroupコントロールメッセージは公表から1週間後、rmgroupコントロールメッセージは公表から2週間後に発行する。
3.9 NG管理行為の再CFD
1 CFXを理由にして、その後の議論にいかなる制限も加えることはできない。
2 同一内容に対する再CFD(Repeated CFD)は、先行するCFDの開始時から3か月以内は認められない。
解説1 Proposalについては委員会はこれを管理しないため、上記の制約とは無関係である。
3.10 複数議題の扱い
3.10.1 複数のCFD
1 複数のNG群に共通する名前(カテゴリー名など、NG名の任意の部分文字列)の変更を1つのCFDとして提出できる。
2 複数のCFDを一括して提出できる。その場合、各CFDに付随する情報は個別のCFD提出における場合と同等でなければならない。条件付きCFDは認められない。
3 複数のCFDに重複部分がある場合、管理人または委員会がその取捨選択および内容の調整をおこなう。
解説1 委員会が調整をおこなうのは、原則として当該CFD群が複数の管理分野にまたがっている場合である。
3.10.2 複数のCFX
1 複数のCFDに属する複数のCFXを一括して告知できる。その場合でも、成立条件は独立なCFXと同等でなければならない。条件付きCFXは認められない。
2 複数のCFDに属する複数のCFVを一括して告知し、投票管理することができる。その場合でも、告知の内容、集計方法、および結果の解釈は個別に投票管理した場合と同等でなければならない。
3.11 管理行為への異議と差し戻し
3.11.1 異議申し立てと検討
1 fj参加者は管理手続きに問題があると考えた場合、その管理手続きの公表から1週間以内に委員会に対して異議を申し立てることができる。
2 申し立ては委員会に対してE-Mailで通知するとともに、NG管理グループにおいて公開されなければならない。その際、異議を申し立てる理由を明示しなければならない。
3 NGMPに従っている行為、およびNGMPに規定されている手順を不当とする主張に立脚した異議は提出できない。
4 委員会は申し立てがあった場合、その内容について再検討した上で、2週間以内に申し立てに対する返答をおこなわなければならない。
5 委員会は検討に際し、必要に応じてCFD/CFXの関係者に情報提供を要請できる。要請を受けた関係者は要請の可否(否の場合はその理由も)を速
やかに回答しなければならない。
7 申し立てに関係する管理行為は、返答までの期間遅延される。
8 返答までの期間にCFD期間が満了する場合は、返答時まで延長される。
9 異議が提出され管理手続きに重大な問題があったと認めた場合、委員会はCFD以降の任意の時点まで手続きをなかったものとして差し戻すことができる。
10 その際、CFD期間の変更が必要と判断した場合は最大2か月の範囲で期間を延長することができる。
11 差し戻しをおこなう場合、委員会はその具体的内容および理由をNG管理グループおよび関連NGにおいて公表しなければならない。
解説1 異議が出た場合、委員会の管理行為(NGの作成、削除、移動)は委員会の返答があるまで遅延させられる。委員会の返答に対して変更投票動議(後述)が出された場合には、そのような遅延はおこなわず管理行為を実行し、動議が成立した時点で必要なら原状に復する管理行為を実行する。
解説2 1週間以内の異議というのは、NGMPではすべての管理行為の公表から実施ないし決定までには1週間以上あけるように設計されているのと整合させるためである。この期間を過ぎての異議は認められない。
解説3 委員会は探偵や警察ではなく、精密な調査を行う権限も義務も(そしておそらく能力も)持たない。本項で想定しているのはあくまでも手持ちの情報、および短期間に収集可能な情報に基づき申し立てのあった管理行為を再検討することである。
解説4 委員会は、法的・道義的に問題となる可能性のある調査は、これを行わない。
3.11.2 変更投票動議
1 異議申し立てに対する委員会による対処の変更を求めて、参加者は管理行為変更投票動議を申し立てることができる。
2 変更投票動議で請求できることは下記のa)のみ、またはa)とb)の双方、のいずれかである。
a) CFD以降の特定時点まで手続きをなかったものとして差し戻すこと。
b) これに付随してCFD期間を最大2か月間の範囲で延長すること。
3 変更投票動議は委員会による返答から2週間以内にNG管理グループに提出しなければならない。
4 変更投票動議によって委員会の管理行為が遅延することはない。
5 変更投票動議に対する投票は、申し立てをおこなったもの、もしくはその代理人が投票管理者となり、通常のCFVと同じ手続きにより実施する。
6 変更投票動議が投票により承認された場合、委員会は必要なら当該NG群の状態が差し戻された時点に復するような管理行為を実施し、その時点からCFDを続行する。
7 同一の管理行為に対して複数の異議および変更投票動議を提出することはできない。複数の提出希望者が現われた場合、委員会が調整をおこない代表者を決定する。この決定に対する異議は認めない。
3.12 委員会による緊急の管理行為
1 委員会はNGMPで規定されていない事態で、fjにとって緊急に必要と認められる場合、CFDの提出と同時に管理行為を実施することができる。
2 上記の管理行為とはニュースグループの作成、廃止、変更をさす。本規定を根拠としてNGMP自体の変更、およびNGMPにより委員会に委託されている業務を拒否すること、NGMPの規定に明確に違反する管理行為をおこなうことはできない。
3 上記の管理行為がCFXにより承認されなかった場合、委員会は管理行為の結果を速やかに原状に復さなければならない。
解説1 変更とはNG名称の変更(移動)、NGの憲章や英文の修正、moderated/unmoderatedの別の変更などを言う。