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返品ってまだ慣れません
今の日本の多くの本の流通は、「返品可」という条件で行われています。
これは「いつでも返せる」という点において、書店の側でもリスクを軽減できるというメリットがありますし、正直なことを言えば本の著者としてはまるで新人な私でも、「とりあえず置いてみてください」って頼みやすいことではメリットがあります。ちなみに実際には本の流通については慧文社さんで引き受けていただいておりますので私が本屋に直接「置いてください」って頼んだ訳じゃないですよ。でも書店の側のリスクの小ささは著者にとってもメリットがある場合があるのです。
日本の出版点数は2004年の速報値によると若干上がったようですし、その全てを全ての書店が陳列できるものではないのですから、最初から書店に流れない場合もありますし、流れても一定期間の経過で出版社に戻る場合も当然ある訳です。
……って、頭の中ではわかってはいるんだけどね。やはり著者という当事者の立場になり、さらにこれがはじめての経験ってことになりますと、返品はやはり寂しい感じがするのです。こればっかりは慣れるしかありませんね。私は結構悲観論者だし……。悲観論者なだけに、例えば長崎のメトロ書店さんでは在庫がインターネットで調べられるのですが、在庫ありになっていたのを確認した上で、実際に行ってみたんですよ。長崎まで。長崎に着いて真っ先にみてみると……これがきちんと置いてある訳ですよ!ところが先日調べてみると在庫がない。ここで悲観論者は「ああ、返品になっちゃった……」って考えちゃうんですね。つい。
ただ在庫について言うと、最近は若干慣れてきたかな……って気もします。
ジュンク堂さんでは池袋本店のデータが冊数単位で出ますし、
紀伊國屋さんは冊数単位では出ないんですが在庫のある店が表示されます。それを見ますと0になったりならなかったりと変動しているんですね。これはさすがに返品じゃないんだろうな……と思えるようになりました。Amazonでも順位が6万台からいきなり4万台前半になったりするんで、これも申込があったんだろうな……と。
このように思えるようになったのも、本屋で見つけたりインターネットで見つけたりしてお買い上げいただいたあなたのおかげです。ありがとうございます。
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