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国際司法裁判所の基礎知識
国際司法裁判所は何をするところか?
・国家間の紛争に対し法律的判断を示す
・国際機関の求めに応じて法律的な意見を示す
ために設けられた国際連合の主要な司法機関である。
国際司法裁判所の組織図
裁判や勧告的意見を行う集団としての裁判所
(日本法で言うところの「訴訟法上の裁判所」)
【いわゆる通常部】
1 構成員
・法廷のリーダーである裁判官
−−裁判所長→裁判所次長→出席する先任の裁判官の順になる
・その他の裁判官
−−裁判所の裁判官と特別選任裁判官とで構成される
2 定足数
・全員出席が原則
・9人いないと成立しない
【特別裁判部】
1 担当
特定の部類の事件を担当する
例示されているのは「労働事件」「通過及び運輸通信に関する事件」
2 構成員
裁判官3人以上
国籍裁判官や特別選任裁判官の優先出席が認められる結果、事件によってはあらかじめ選任されていた
裁判所の裁判官が審理から外れることがある。
【簡易手続部】
1 担当
簡易手続によって事件を迅速に処理するため設置される。
簡易手続部への付託は当事者からの要請によって行われる。
2 構成員
裁判官5人及び予備の裁判官2人
国籍裁判官や特別選任裁判官の優先出席が認められる結果、事件によってはあらかじめ選任されていた
裁判所の裁判官が審理から外れることがある。
機構・組織としての裁判所
(日本法で言うところの「国法上・裁判所法上の裁判所」)
1 所在地
オランダのヘーグ
2 職員の内訳
・裁判所長
・裁判所次長
・(その他の)裁判所の裁判官
・裁判所書記
・その他の裁判所の職員
国際司法裁判所の当事者となれるもの
原則として国家だけである。
勧告的意見については一定の国際機関に限られる。
国家の中でも……
・国際連合加盟国
・所定の手続により国際司法裁判所規程の当事国となることを認められた国
に限られる。
訴訟手続のおおまかな流れ
- 1 訴え提起
- 特別の合意の通告か書面による請求を裁判所書記に対して行う
- 2 訴え提起の通知・通告
- 裁判所書記が利害関係国に対する通知、事務総長経由国連加盟国あて通告、その他の規程当事国に通告を実施する。
- 3 (もしあれば)仮保全措置に対する判断
- 4 書面手続
- 当事者は裁判所書記を経由して裁判所及び相手方に文書を送付する。
- 5 口頭手続
- 裁判所が、証人、鑑定人、代理人、補佐人、弁護人から公開の法廷において事情、意見を聴く。
口頭手続は法廷のリーダーとなる裁判官が指揮する。
- 6 評議
- 非公開で行われる。
- 7 判決
- 公開の法廷で朗読される。
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