解答 ○
たとえば「1943年にローマから持ち出された貨幣用金に関する事件」における1954年6月15日判決では
「同意を与えた国に対してのみ管轄権を行使できる」というルールが
「充分確立された国際法の原則」とまで断言されている他
他の判決でも繰り返し指摘されています。
そしてそれを無視した提訴については,相手国からのその旨の指摘を受けた上で
「付託事件リストからの削除命令」(日本の民事訴訟法の却下判決に相当)が出て,本案審理をされずに終わっています。
ただしこの同意は形式を問いません。
両国の合意による提訴が一番わかりやすいのですが,
その合意がなくても,それぞれが別々に管轄に同意する旨裁判所に連絡してもかまいません。
一方的提訴に対する応訴(と見られる行為)でもかまいません。
さらに国際司法裁判所規程36条2項によるいわゆる選択条項受諾宣言をした国相互間では,
あらかじめ包括的に同意するというのが選択条項受諾宣言であるため
個別の事件ごとの同意は不要です。
この点の例外はありません。
仮保全措置においても,管轄の有無についての証明の程度が下がるだけで
同意が全く不要だということにはなっていません。