旧暦2033年問題
とある方面で,
「2033年の友引が決まらないので波紋が広がっている」
そうなんだけど……。
(まあ,週刊誌が書くことだし,さらに又聞きだというから,
まともに信じちゃいけない類ではあるんだけど……。)
「葬儀業界は困る」
←「友引が決まらないから」
という話だそうなんだけど……。
このあたり,六曜には冷淡(笑)な国立天文台がページを公開しているので
正確な記述はそちらにまかせることにして
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2014.html
なぜ葬儀業界が困るのかを考えると
「友引が決まらない」
←「旧暦が決まらない」
←「今までの計算式なら2033年の9月23日が旧暦8月1日,11月22日が旧暦11月1日,その間に旧暦の9月と10月なんて入らない」
という話のはずだよね。
じゃあ,今までの計算式じゃなきゃいいでしょ?
実際,過去の改暦って,こういう不都合が起きたor起きるから行われた訳なんだし……。
そして前回の改暦って,明治5年12月2日の翌日を明治6年1月1日として
以後太陽暦で行くことにしたあれじゃん!
(明治5年11月9日太政官布告第337号 改暦ノ布告
もっとも1900年問題(笑)をむかえて
明治31年5月11日勅令第90号 閏年ニ関スル件を出して
グレゴリオ暦……4で割れれば閏年,100で割れれば平年,400で割れれば閏年
に移行したわけだが。)
布告文の中でこんなことを書いている。
「旧暦ヲ廃シ太陽暦ヲ用ヒ天下永世之ヲ遵行セシメ……」
まあざっくり言えば
「旧暦を廃止して太陽暦を使うことにしたから,みんな守れよ」
ってことだな。
それなのに,なんで旧暦使うかね~。法令違反じゃん。(笑)
……という話は置いておいて……だ。(置くな!爆笑)
法的には廃止された旧暦がまだあるってこと自体が
本当は不思議な話だよね?
旧暦は誰がどうやって決めているの?
実は「どうやって」というのは
・計算の方法は天保暦の方法
・基準となる天体現象は東経135度の地点による
というハイブリッドというかキメラな方法論によっているわけだ。
純粋な天保暦は東経135度ではなく京都135度46分が基準。
それが東経135度になったのは,
現在の国立天文台が東経135度を基準にしてデータを公表しているためで
その点では「基準となる天体現象は東経135度の地点」によったデータ自体は
国立天文台が計算しているんだけど
別に「天保暦の方法」で計算しているわけではない。
国立天文台で計算していなければ
計算しているのはどこ?
計算している人がいればその人が決めればいいだけのことだし
計算している人がいなければ……誰が今まで計算していたの?ってことで
問題になりようがないと思うんだけどね~。
……まあ,これを機会にやめてしまえば……というのが実は筋がいい。
佐々木将人: 2016年9月28日 11時51分: 未分類: comment (0)