自動失職
大阪市長が辞職して直後の市長選挙に立候補する件
前提として辞職は,通常,議会が同意するもんだけど
今回はどうも同意しなかった模様。
で,とあるマスコミが「自動失職」なんて書いていたんだけど
これは「原則と例外を入れ違える」誤りなわけだ。
地方自治法145条本文によれば
「普通地方公共団体の長は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前、(中略)、
市町村長にあつては20日までに、当該普通地方公共団体の議会の議長に申し出なければならない。」
であって,本来の形は
「辞める日まで20日の余裕をもって議長に言わないとだめよ」
ってことになっているのさ。
だから基本形は2月28日にやめたければ,遅くとも2月8日までに
「2月28日限り辞めます」
と議長に言わないといけないわけ。
確かに実際にはこの条項でいくことは珍しい。
通常は20日もおきたくないことが多い。
そうすると145条但書の
「但し、議会の同意を得たときは、その期日前に退職することができる。 」
を発動して,例えば「2月17日限り辞めたいので同意してください」って議長に言って
議会で同意してもらうって段取りで行くわけさ。
そうするとどうも今回は議会が同意しなかったらしいというので
これが本当だとすると,
市長はあらためて20日おいた日を設定して
「(その日)限り辞めます」
と言い直さないといけないはずなのさ(※)。
20日あけるともはや同意は不要。
……けっして自動失職の規定ではないのでした。
※
この時の言い方ってもしかしたら両方に対応できるようななんか慣行があるのかもしれないけど……。
佐々木将人: 2014年2月6日 23時40分: 未分類: comment (0)