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判事のなまえはJohn Deedか?

違います。(笑)

でも,(原文読んでないんであれなんだけど)
なんかイングランドの裁判所ならではの判決だとは思いましたよ。
英米法ならではの「仕立てのいいオーダーメイドのスーツのような着心地の」判決。

参照 http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE86901220120710

例えば制定法主義でぎりぎり言えば
「こういう要件が揃えば特許として成立する」
「特許として成立すれば,他の人はこういうことができなくなる」
「よって,○○は□□できない」
という法的三段論法で詰めていくだろうし
各段階がそれぞれ問題なければ結論は決まってしまう。

もっとも特許制度について言えば
イングランドだって制定法のはずではあるんだけど……。
でも大原則としては「equityはcommon lawの補遺」「制定法は裁判所で使用されてはじめて法である」のイングランドだと
ここでも「救済を与えるべきか否か」という面での検討が行われたんではないか……と。

で,ちょっと考えて欲しいんだけど
Apple社が特許もしくはその他の知的財産権として保有しているものの全てが
特許もしくはその他の知的財産権として保護する目的に適い
また社会的な利益になるものなんだろうか?
私結構疑問に思っているんだけどね。

で,その問題意識から,
「仮にAppleの○○に特許もしくはその他の知的財産権が成立したとしても
 Samsungの□□によってそれを侵害したとは評価できない=Appleを救済しない」
という判断にいたったんだとすれば
この判決はイングランド的にまともな判決だと思うんですよ。

この判決が先例になれば
「AppleがSamsungを訴えてもたいていだめ」
「SamsungがAppleを訴えてもたいていだめ」
になるんで,これって結構いい落としどころではないかと思うんだけど……。


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