多元論に行かない理由?
薬師院仁志「社会主義の誤解を解く」光文社新書はなかなかおもしろい本だったんだけど
読んでて「もしや」と感じたことがあるのさ。
国際法の分野では多元論ははっきり言って人気がない。
最初は「これを言っているのはあたしだけ?」
って思ったくらいに少ない。
(実際は,きちんと同じ主張が先行して存在していたわけだが。)
で,その原因を私はドイツ流の観念法学の影響じゃないかなあ……って想像していたんだけど,
どうもそうとは限らないんじゃないか。
上記の本のp78によると
革命を経たフランスは「個人として国家にのみ所属する」という思想
(そのルーツはルソーの社会契約論の中の
「国家のうちに部分的社会が存在せず
各々の市民が自分自身の違憲だけをいうことが重要」
という記述にさかのぼる。)
があって,その結果
「国民を分断すると見なされた私的団体は,原則として全て禁止され」
市民団体の結成が認められたのは1901年だという。
……部分社会自体を否定するんだから一元論か二元論だよなあ。
(2011年9月24日 1時12分)
佐々木 将人: 2015年4月15日 0時16分: 未分類: comment (0)