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VAIO type PとLubuntuでプログラミング可能な小型軽量原稿書き機を仕立ててみる

なぜFreeBSDではなかったか

 別項で書いたとおり,MSi U270にFreeBSDを入れていろんな実験をするとともに,原稿書きができるようによく外に持ち出していたのですが……。なにせ1.4kgなんで,最近重さが身に染みるようになってしまい……。2013年12月に列車内でうっかり床に落とした拍子にバッテリーをおさえる部分が壊れてからは,バッテリーが外れやすくなったこともあって,持ち出すのがちょっと億劫になってしまったのです。
 そこでもっと軽量な機械を探し始めた次第。当然英語キーボードのもの。
 最初はMacBookAirを候補にして,手持ちのMacBookProにFreeBSDが入らないか試してみてたんだけど,なかなか起動してくれない。
 というので,素直にAT互換機方面で,「そういえばVAIOのtype Pは小さかったな。」というので中古を調達して,FreeBSDを入れようとしたんだけど……。
 これまた別項に書いた話なんだけど,FreeBSDの場合には,10.0だとwindows領域を読み書きするためのfusefs-ntfsで不都合が発生。具体的には,windows領域をきちんと指定しても,そんなファイルはないと言ってきてしまうので,なかなか使いずらい。9.2だとそんなことはないんだけど,w3mが文字化けする,またX-windowが1366x768画面で上下につぶされたような感じで表示されるって問題点があった次第。この点は1600x768なVAIO type Pだと,もっと深刻な問題だよね。もっともwindows領域と共存させるわけだから,FreeBSD側でX-windowを動かす必要は必ずしもないし,w3mの文字化けはportsからのコンパイルでなんとかなりそうって情報があって,それならというので9.2に着手したんだけど……。なんとインストーラーが途中で止まるという現象発生。もっともこれはVAIO PのACPIまわりが悪さをしているという指摘があって,インストールの際にoptionでACPIサポートをNOにして切ってインストールすると,インストール自体はうまく行ったんでクリアできたんだけど……。その後の pkg_add -r でやたら時間かかる上「irq7:でエラー」的な表示が必ず出るようになって,これは調べてみると,2005年前後にプリンター出力するとフリーズするという報告で出ているのと同じ,割り込み処理にともなう障害らしいってことが判明した次第。
 このまま原因追求して動かしてもいいんだけど……。
 2016年になって,64bit版の方は,vtというコンソールの登場とか,emacsやddskkなどが,設定ファイルなしでもそこそこ動くといういい状況になったことで,じゃあ32bit版を入れてみようかと考えてやってみたんだけど,今度はpkgでソフトを入れようと思っても,そもそも対応するソフトがないと言われる「何それ?」状態。
 全てのソフトを1から書く元気はもはやないし,原稿書き機でそれやるかね……。
 そう!話としては,原稿書き機だったはずなのだ!
・pomeraDM100は文章を書くには(日本語キーボードであることを除けば)そこそこ使える機械なのだが,いかんせん一定の大きさ以上のファイルを扱えない。
 ……というのでpomeraでの作業用に1つの原稿ファイルを多数に分割したり,多数に分割されたファイルを1つの原稿ファイルにまとめるプログラムを書いたくらい。
・しかもpomeraDM100はPocketBSDで有名になったNECのmobile gearや,Linuxマシンとしても使えたSHARPのZaurus(いわゆる「リナザウ」)のようなノリがない。
・だからプログラミングも可能な原稿書き用小型軽量機を用意しよう という話で,とりあえず原稿を書くという当座の必要性があることから,手っ取り早くLubuntuにしたという次第だったのさ。
 なお,最初はwindows領域を残しておこうと思って作業したんだけど,2016年はリカバリ領域も含めて全部消して,全領域をLubuntuに使いました。(当然リカバリディスクは作ってからだし,作るにあたっては,実はリカバリ領域からのリカバリを実行することで初期状態に戻してからの方が失敗がないって話を聞いてそうしました。)

第1 Lubuntuのインストール

 ちなみに,windowsと共存させる場合には,windows側には,必要なソフトをあらかじめ全てインストールしておきましょう。
 その方が考えることが1つ減りますし。
 あと,私は,有線のLANをつないでおきました。
 Lubuntuの場合,無線LANでもインストール可だとは思いますが。

1 Lubuntuを用意する

 本家 http://www.lubuntu.net/ から,x86用のインストールデータを入手します。CDに焼いて,インストールCDのできあがり。

2 インストールCDから起動

 USB接続した外付けCDドライブから起動するためには,電源投入直後からF2を押して,選択画面が出たら,外付けCDドライブから起動するよう指定してください。
 ちなみにBIOS設定画面で,起動の順番として外付けUSB機器を内蔵HDDより優先させておくとしばらく便利です。何かの危険があるというなら,作業が一段落した時点で再度BIOSを設定しなおせばいいわけだし。

3 インストールに使う言語の選択

 まあ自分のわかる言語を適宜選択。私は日本語。

4 「Lubuntuをインストール」を選択

5 ようこそという画面ではそのまま「続ける」を選択

6 Lubuntuのインストール準備という画面ではそのまま「続ける」を選択

ちなみに,とりあえずインストールを手早く完了させるため,
「インストール中にアップデートをダウンロードする」
「サードパーティーのソフトウェアをインストールする」
は外した方がいいと思います。 ……とはいえ,16.10では両方チェック入れちゃった。
  時間かかりすぎてインストールが終わったかどうか確認できないまま,再起動しました。
  ……なんで,今,動いているんだろ?

7 インストールの種類

「Lubuntuをwindowsなんちゃらとは別にインストール」を選ぶ。
これでwindows領域を縮小してパーティションを作ってインストールしていくことになります。 ちなみに全領域を使って入れる場合には,「全ディスクに入れる」になります。次の手順をとばして,9に進みましょう。

8 必要に応じて割り当てる

なんとなくHDDを半分にして前半をwindows,後半をLubuntuにするようになっていると思います。
そのままインストールでもいいですし,境界のあたりをクリックしてスライドすることで,適宜のサイズにしてから,インストールでもよいです。
確認画面が出たら,「続ける」。
ちなみに「続ける」を押すと,パーティションの変更情報が書き込まれるので,後戻りができません。

9 どこに住んでいますか?という画面では「Tokyo」と表示されているはずなので,そのままにして「続ける」

windowsはたぶん日本標準時で時計を合わせていると思うので。

10 キーボードレイアウト

適宜選択。
ちなみに私は英語キーボードなので,左側に「英語(US)」を選んで,右側も「英語(US)」を選んでいます。
Aの横のCapsLockをcontrolにすることはあとでできます。

11 あなたの情報を入力してください

適宜入れて,「自動的にログインする」を選んで「続ける」。
……しばらく時間がかかりますが,CDが勝手に出て,その後Enterを押すことで再起動がかかり,GRUBによる選択画面が出ます。 もし全領域を使用した場合には,この選択画面は出ません。

第2 必要なソフトをインストールして設定する

 あとは,必要なソフトをインストールして,(ソフトによっては)設定ファイルを書き換えるだけ。
 ちなみに,これは,どういう順番でやってもいいとは思うのですが,個人的な経験から言えば,VAIO type Pのデフォルトだと文字がとんでもなく小さくてきついので,文字を大きくする設定を最優先にしたいところなのですが,vi使いたくないとなると,エディタを入れないといけないし,そのエディタも,sudoでroot権限で動かさないといかんので,基本的にはターミナルから使うものでしょ?ということで,nanoのインストール→文字のサイズの設定→再起動(で文字が大きくなる)→ソフトウェアのアップデート→必要なソフトのインストール→設定……という順になりそうな気がしています。

1 ソフトのインストール

 左下隅(Lubuntuのマーク)→システムツール→Synapticパッケージマネージャで起動し,パスワードを入れます。
※ちなみにパスワードが通ったあとで,「dpkg --configure -a」を実行するよう求められることがありますので,その場合は,コンソールを開いて実行してください。
 検索ボタンを押して,検索ワードにソフトウェアの名前を入れます。検索結果にそれと関係のあるソフトウェアが表示されるので,必要なものに「インストールする」のチェックを入れ,終わったら上の方の「適用」ボタンを押すと(確認を求められた上で)インストールされます。関連するソフトも自動的にチェックが入るので便利です。
 私が入れているのは,次のとおりです。
・nano
・tmux
・emacs
 24.5以降ではemacs用のwebブラウザとしてewwが標準装備されましたので,w3mがなくても大丈夫となりました。そうなると素のemacsを指定して,必要と言われるものを一緒にインストールするでよいでしょう。
・ddskk

2 ソフトのアップデート

システムツール→ソフトウェアの更新

3 設定ファイルの書き換え……総論

設定ファイルでroot権限が必要なものは,普通にエディタ動かしても書き込みができなくてはねられます。その場合は,root権限でエディタを動かすわけですが,私は左下隅(Lubuntuのマーク)→アクセサリ→LXTerminalでsudo nano -w ファイル名 として,ターミナル内でroot権限でnanoを動かしてました。

4 字を大きくしたい

ファイル名は /home/(ユーザー名)/.config/lxsession/LXDE/desktop.conf
ファイルマネージャPCManFM(下のツールバーにあると思う)で見つけられると思うけど,見つからない場合,画面を右クリックして「隠しファイルの表示」にチェックが入っているかどうかを確認すること。(デフォルトはチェックなしだと思う。windowsにも言えることだけどUNIX系の場合,いよいよ表示させないと仕事にならないと思う。
このファイル,中を見ると結構あると思うけど,sGtk/FontName=(フォント名) 11とかになっている行を見つけて,そのフォント名や数字を変えると,デフォルトの文字が変わるという次第。私16まで大きくしています。
なお,これで直らないものは,個別のソフトの設定をさらに直すこと。

5 Aの横はcontrolでないと嫌

ファイル名は /etc/default/keyboard
たぶんrootが必要。
「XKBOPTIONS="ctrl:nocaps"」
を追加。

6 Emacs

.emacs.dは作ってくれるのに,それとは別に.emacsをホームディレクトリに作ってしまうという謎仕様。ゆえに.emacs.d/init.elを作り,.emacsの内容を転記して,.emacsを消してしまうのが何かと吉。

起動時にEmacsを最大化した状態で起動するためには……。

左下のLXDEボタン?をクリックし,メニュー中から,「設定」→「LXSessionのデフォルトのアプリケーション」を選択。表示される「LXSession configuration」で,「Autostart」タブを選び,「Manual autostarted applications」に「emacs --maximized」を追加すること。

小ネタ

「ctrl+alt+F1〜F6」でtty1〜6のコンソール画面になりますが,日本語設定が引き継がれないらしく,日本語は表示されません。
「ctrl+alt+F7」で,X-window画面に戻ります。

(2014.11.29.)
(2016.12.11.最終改訂)

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