pomera DM200 でLinuxを同居させる CLI・CUIなワークステーションを作る へ

番外編 pomera DM250 でLinuxを同居させる(メモ)

pomeraDM250はDM200について部分的に手直しをして発売された機械です。元々の機能については,約24時間の連続使用、USB Type-C対応、充電確認用LED搭載,英語キーボード化が可能(とはいえキートップについてはシールを貼り付けるというもの)という向上がはかられています。LinuxについてもDebianのバージョンがDM200の9から11に上げた上でやはり動くようになっています。
(あくまで動作がおかしくなっても自己責任ではありますが。)
元々が日本語ワープロなのでそのままで携帯用原稿書き機になりますし,その領域をLinux側から操作することで,別の方向でCLIでCUIなワークステーションになるって仕掛けもDM200と一緒です。
ところが……。DM200で動作するmicroSDをDM250に差し替えただけでは,無線LANが機能しません。
そこで1TBのmicroSDを用意して,御大尽になろう……という計画です。

まず,「pomera_dm2x0_debian_20220816.zipの中身のimgファイルをSDカードに書き込む」ところまでは,他の方のサイトを見てください。(例えば「pomera DM250のLinux化のメモ」など。)
gpartedで領域を変更する
電源offの状態で上で書き込んだSDカードを挿入しalt+右shift+電源で起動させると,1回目はプログラム作成者によるバッチファイルが動き出し,先頭に2GB程度のvfat領域,次にLinux本体の領域(残り),最後にswap領域(1GB)を作成します。そのまま放っておくと再起動で元からあるpomeraが起動するので,電源を切ったあと,gpartedを使って領域を変更します。私は,先頭を2GBから32GB(FAT32の限界)に,末尾swap領域1GBから6GBに変更することにしました。この場合,「/」の領域を950GBから前に30GB程度,後に6GB程度縮小させた上で,切り離したFAT領域について先頭2GBから拡張し,swap領域も後ろの1GBから6GBまで拡張します。
USキーボード化
/etc/default/keybourd をsudo viを使って書き換えます(たぶんvi使うのはこれが最初で最後)。
具体的には,
・XKBMODELを初期値の「jp106」から「pc105」に変更
・XKBLAYOUTを初期値の「jp」から「us」に変更
・#XKBOPTIONS="ctrl:nocaps" の冒頭の「#」を削除(コメントアウト)する。

ちなみにviで使うのは
・カーソルをあわせて,「x」を押して1字削除する→不要な文字は全部消してしまう。
・「i」を押して挿入モードに変える→カーソルをあわせて文字を打ち込んでいく
・「esc」を押して挿入モードから抜けたあと「ZZ」を打つと保存した上で終了
WiFiの有効化
/mnt/sd にマウントしているFAT領域ですが,settingフォルダの中にある wpa_supplicant.conf ファイルは,Linux側の /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf が存在しない時に見ることになっていますので,settingフォルダの中にある wpa_supplicant.conf ファイルのSSIDとパスワードを書き換えておきます。
その上で /opt/bin/wifi_switch on とすると,インターネットに接続できるはずです。
切る時は /opt/bin/wifi_switch off です。
……ところがね~。立ち上げ直後はまず間違いなく接続に失敗するんですよ。再現性あり。
でも,まあ何回かon offを繰り返すとか,ある程度の時間がたつと接続に成功する。
なもんで,そういうもんだと思っておくといいんですが,さりとて,DM200の時にはそんな現象は起きずに一発で接続できるので,なにかうまい策があれば採用したいところです。
(ちなみに https://qiita.com/kzee/items/f65f2520c8a7911e1550 という指摘もあるのですが,これでは解決できませんでした。)
nanoを使えるようにする
無線LANが使えてインターネットに接続できるようになったら,まず nano を入れてしまいます。
> sudo apt-get update
> sudo apt-get install nano
その他のプログラムをインストールしていく
fbtermの設定を書き換える
まず,fbtermは最初から起動するとエラー吐きまくりだったので,自動起動の設定は暫定的に止めていて,ログイン直後にfbtermと打って明示で起動させています。
で,DM200では最初の設定で字間が若干空きすぎって感じではあるけど,まあまあ使えるのですが,DM250ではなんか文字が汚くなっています。
そこでfbtermの設定ファイルを書き換えます。
自分のホームディレクトリに「.fbtermrc」があるので,それを編集するのですが,
「font-size=14」という行があるので18にすると,DM200の表示に似ます。(当たり前だあな。DM200はデフォルトで18になっているの,DN250ではなぜか14になってた。)
なお,「.fonts/」以下にフォントファイルを入れて,「.fbtermrc」の中の「font-names=」で「Sarasa\ Fixed\ J,mono」みたいに指定すれば,フォントも変えられる模様。(これから試す。)
……このあたり,FreeBSDのコンソールより正直簡単。
rootでログインできるようにする
初期ユーザーは「pomera」,パスワードは「dm200」なんだけど,一般ユーザーからsudoで処理するのは,設定の時は面倒なので,はなからrootで作業してしまおうという戦略。
エディタで /etc/passwd を開くと,最初の行がrootでその第2フィールドには「x」が入っておりますが,これを削除してしまいます。
このことでrootでのログインが可能になり,かつ,パスワードも要求されません.

私が自分用のワークステーション(NEWS1250)を持っていたころ,日経MIXのLISP/GC会議のオフ会で,rootにパスワードかけていると言ったところ,自分しか使わない機械でパスワードかけるなんて真面目だね~と言われました。最近では考えにくいのですが,昔はこのくらい緩かったのです。
インターネットに常時接続している環境では,たとえ,pomeraのように,使う時だけ電源を入れるという使い方でも,念のために「rootでのログインは拒絶する」「一般ユーザーで必要に応じてsudoを使う」のが正解でしょうし,rootログインを可能にしても,それはコンソールからにとどめておいて,SSH経由のrootログインは拒絶する方が良いとは思います。
(2023.6.25.初版)
(2024.7.28.改訂)

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