ちなみに計算尺はまだ買えます。
もっとも、オフィス用の事務用品だと思って銀座伊東屋の3階に行ったのでは、計算尺の説明からはじめないといけません。(メジャーと勘違いされてそれを解くのに3分はかかった。)8階に行って聞きましょう。製図器、定規の親戚という扱いのようです。計算尺は引き出しの中に入っています。製造中止の場合もあるので注文を受ける時は慎重にみたいな注意書きもありました。
そこで数種類買いますと、帰りにめがねっこなエレベーターガールに逢える僥倖が待っているかも。
発明・発見される時は大変なことだけど、今にしてみれば小学生でも知っている……なんてことはよくある話な訳だけど、計算尺の原理も同じことは言えると思います。
小学生の時に、足し算引き算を定規の目盛みたいな方法で計算するって話を習った人はいると思います。
ここでおさらいすると……。
まず同じ目盛の定規みたいなものを自作する訳だな。
等間隔に目盛をふり、左から0〜10とでも振っておく。
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
例えば2+3を求める時は
下の2に上の0を合わせ、上の3に対応する下を読み取ると5になっているから
答は5だ。
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
引き算だってこれでも可能
7−3を求める時は
下の7に上の3をあわせて上の0に対応する下を読み取ると4になっているから
答は4。
ところで足し算引き算だとわざわざ計算尺を作るほどでもない。
算木だとかそろばんとかで十分。碁石なんかでもいいよね。
掛け算割り算に使えないか……。
そうだ、指数法則が使えるじゃないか。
指数部分だけ見れば、掛け算は足し算になるし、割り算は引き算になる。
【ここで指数の簡単なお勉強】
正の数は、「何かの数A(1以外の正の数)をB回掛けた数で表現できる」訳でして。
例えば100は10×10なので「10を2回掛けた数」
1000は10×10×10なので「10を3回掛けた数」として表現できます。
知っている人は「10の2乗」と言えば「10を2回掛けた数」を指すことも知っているはず。
ところで100×1000は100000だよね?
これを全部「10を何回掛けた数」式で表すと
「10を2回掛けた数」×「10を3回掛けた数」=「10を5回掛けた数」
というようになるし、察しのいい人は回数部分に着目して
「2+3=5になっているやん」ってことにも気づくはず。
この回数部分を「指数」と呼びます。
そして指数は回数なんで本当は自然数(1から始まる正の整数)なんだけど、これがすべての数に対応でき、対応させても上で言う指数法則にあてはまって問題がないとなれば……だ。
【ここで指数の簡単なお勉強終わり】
目盛を指数のとおりに作り直してみようじゃないか。
十 百 千 一 十 百
一 十 百 千 万 万 万 万 億 億 億
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| | | | | | | | | | |
一 十 百 千 万 十 百 千 一 十 百
万 万 万 億 億 億
これを使うと100×1000だってこのとおり
十 百 千 一 十 百
一 十 百 千 万 万 万 万 億 億 億
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一 十 百 千 万 十 百 千 一 十 百
万 万 万 億 億 億
こうやって掛け算を足し算に、割り算を引き算に直すことで
面倒くさい計算を簡単にしてくれる道具が計算尺なのさ……って次第。
もっとも現実の計算はこんな簡単なものじゃないよね。指数が整数どうしなら実は「0の数を数えればよい」んで……。100×1000だと0の数が2個と3個だから「1×1」の答の1の後に0を5つ書けば正解。100000÷1000なら「1÷1」の答1に0の数5個から3個を引いて2個の0を書き足せば終わり。必要なものは「1×1」とか「1÷1」の部分が別の数字の場合。そこで「1から10まで」の場合に対応できるようにしたのが、現実の計算尺なんです。
なんで「1から10までか?」って?
10倍で一区切りでしょ?0.9なら9の10分の1だからわざわざ1より少なく0.9にする必要がないし、11なら1.1の10倍なんでこれまた10より大きいのを考える必要がない……。
だから「1から10まで」でたりるし、それは指数という面で見ると「1は10の0乗、10は10の1乗」だから「0〜1」すなわち「指数の小数点以下の部分」ということになり、結局計算尺というのは「数を指数で表現し、指数の小数点以下の部分を使って足し算引き算することにより、掛け算割り算ができるようにした道具」だと言える訳です。
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
と、7目盛引き出さなきゃいけないのを
5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5
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| | | | | | | | | | |
5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5
3目盛引き出して終わりにしようというためのもの。
ちなみに円形だとこのような観点は発生しません。
P45S 全長23cm A C CI CF D DF K L SI TI
251 全長25cm A B C CF CI CIF D DF DI K L LL1 LL2 LL3 S ST
T
40RK 全長25cm A B C CI D K L S T
34RK 全長13cm A B C CI D K L S T
30 全長10cm A B C CI D L S T
32 30のカーソルがレンズになっているもの
円形計算尺
480 直径11cm A B C CI D K L
年数、月日 日数 週数 和暦西暦対照七曜表付
300 直径11cm A B C CI D K L LL1 LL2 LL3 S ST T1 T2
270N A B C CI D DI K L S ST T1 T2
(初稿2002.5.20)